料理人が斬る! 熊本の逸品食材16

芸術の秋を、斬る!

コロナ収まらぬまま夏は過ぎ秋の気配を感じ始めましたね。

今回の5ツ星ブログは芸術の秋として料理にはなくてはならない『器』について書いてみます。
九州には器の一大産地有田がありますが熊本にも様々な窯元がその土地土地の伝統や文化として残っています。
おく村でもいくつかの窯元と仲良くさせていただいており、昨年よりコラボ企画イベントなど開催しています。

お盆明けに感染予防を徹底した形にて開催した
県南を代表する窯元のひとつ『高田焼き 伝七窯(こうだやき でんしちがま)』作陶体験の模様でも。


高田焼き 伝七窯さんのご紹介。

八代の代表的な伝統工芸品であるこの焼物、細川家が小倉城主から肥後のお殿様に挨封の際、三斎公に従い、八代に窯を開き、約400年間守り継いでいる焼物です。
伝七窯は昭和38年開窯以来、高田焼として日本国中に誇れるような素晴らしい製品を作り、安心してお使い頂いています。

年に二回は手びねり作陶体験イベントやりたいなー
と、思っております。

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

https://www.e-okumura.net/

料理人が斬る! 熊本の逸品食材12

肥後のでこなすを斬る!(茄子と鶏肉の柳川編)

熊本県独自の緊急事態宣言、出ちゃいましたね・・・
口に出すのも嫌なやつ。声を大にして言わせてください!

『コロナのバカーっ!』

さて気を取り直して今回もブログ書いちゃいます♪

前回に引き続き、
絶賛開催中! 熊本市農産物フェア2020くまもと収穫祭!
の『でこなす』を使って(´*)ウフフ

熊本の産直新鮮な美味しいが送料無料で買えちゃうこの企画♪
前回は茄子田楽っぽい感じでしたが、日増しに寒くなったりしてるので今回は温かい物でも。

下拵えさえしておけば夕食時にさっとアツアツで出せるので、冷蔵庫にあるもの使って作っていきましょう♪

題して『茄子と鶏肉の柳川』っっ!
柳川鍋って言ったら、どぜうを使ったお江戸の有名店など思い出したりしますが今回はご家庭で

用意するもの4~5人前
でこなす 5
鶏肉モモ 片身
占地(しめじ)1P
榎茸(えのき)2P
白葱   1
卵    45
山椒粉  適量

鍋地
混合出汁 750cc
味醂   75cc
薄口醤油 75cc

油    適量

①茄子を3、4cm程度の輪切りにカット。油で素揚げします。

きつね色になったら最後に火を強めてカラッと揚がるようにしましょう。茄子は結構水分多いので、油でしっかり揚げるのがおいしく仕上げるコツです。

卵の量を増やせばオムレツみたいになります。減らせばスープみたいな感じでも召し上がれますよ♪ 出汁の量と卵の割合で色々な料理に代わります。

②揚がったら網にのせてしばらく置きます。

しばらく放置することで、余分な油や水分を落としていきます。

③茄子の油を切っている間に、鍋に出汁と材料を入れて下拵え。

今回は鶏肉をスライスしてお酒でさっと洗い、臭みを取り除きました。占地(しめじ)や榎茸(えのき)を入れてひと沸きしたら火を止めます。ここまでが第一段階の下拵えです。忙しい時は、時間のある時にここまで作っておくと便利です。

③②の下地に茄子を入れます。

②で出来た下地に茄子を入れてひと沸かせさせます。茄子を入れる時は、火に掛けて沸かせた状態で入れます。あまり長い時間鍋で沸かせると茄子がヨレヨレになっちゃいますので注意ですよ。

④灰汁を取り、葱を入れます。

グツグツしたらさっと灰汁を取り、あらかじめ刻んでおいた葱を入れます。葱多めだとよりおいしくなりますよ♬ ニラを代用してもいいかも!

⑤溶き卵を入れます。

葱を入れたらすぐに溶き卵を円を描くように入れていきます。このとき、穴あきのお玉を使ってもいいですね。溶き卵はいっぺんに入れずに、少しだけ残しておきます。火を止めた後で、残りの卵を入れます。そうすることで、鍋の中で火の通り方が違う卵の食感が楽しめます。

最後に山椒をふって、完成でーっす。

今回は、茄子と鶏肉ときのこを使ったんですが、旬の牡蠣とか葉野菜なんかでアレンジしてもおいしいです♬ 是非お試しを~

熊本市農産物フェア2020 くまもと収穫祭
オンラインで開催中なので、ぜひオンライン会場へ!

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

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料理人が斬る! 熊本の逸品食材11

肥後のでこなすを斬る!(肥後のでこなす味噌よごし編)

新しい年の幕開けですが、何処にも集まれず。おく村は、店で来るべき日の為に色々とやってますよ(´*)ウフフ
しかし年末より寒さが厳しく調理場は正に極寒地帯。
冷蔵庫も効きすぎて(笑)

さーて新年一発目は絶賛開催中!
JAくまもとさんの熊本市農産物フェア2020くまもと収穫祭!
の食材を使って料理します。
熊本の産直新鮮な美味しいものを送料無料で買えちゃうこの企画♪(熊本県内限定ですが)

今回は茄子をお願いしてみました♪
おく村ではずーっと益城町の嶋村農園さんの筑陽茄子を使っているのですが、今回は『肥後のでこなす』。調べてみると・・・

熊本市南西部で昭和20年代より始まり、以来順調に出荷数を伸ばし、今では全国でも有数の茄子の産地として知られるようになりました。10月から6月にかけて出荷される冬春なすは「肥後のでこなす」の愛称で呼ばれ、肉厚でアクが少ないことから、幅広い料理に活用できます。

と出てきました(^O^)

今回もご家庭向けに簡単に美味しく食べられる料理を作ってみます♪
題して『肥後のでこなす味噌よごし』
簡単に言うと茄子田楽なんですけどね。

急な来客時などサラッと出せるとお客様から喜ばれるのではないでしょうか。

では作り方をご紹介します
①茄子を5~6cmにカットして素揚げします。
茄子は油との相性がいいので一度カラッとあげます。皮目に包丁を入れておくと火の通りもよく皮が気にならなくなります。

揚げる際、皮目は下にし、身がきつね色になるくらいまで揚げると綺麗に揚がりますよ。

②白味噌に卵黄、砂糖少々を混ぜみりんでのばしていきます。
茄子をあげている間に、白味噌に卵黄と砂糖少々を混ぜて、みりんで味を調えていきます。ダマダマにならないように少しずつ混ぜ合わせます。目標は上品な甘さですよ。卵黄を少し入れるとまろやかになるのです。

③素揚げした茄子の油をしっかりきって②と混ぜ合わせます。
クチャクチャにすると茄子の皮が剥げたりボロボロになるのでゆっくり混ぜましょう。難しい場合はそのまま器に盛り付けうえから味噌を掛けてもいいですよ。


器に盛りつけて天盛に葱なんか乗せちゃうと見た目も味もより美味しく召し上がれます♪ 茄子がくずれないように、味噌だれを少しずつ混ぜて盛り付けるのがポイントです。
簡単に出来るので試してみてくださいね♪

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

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熊本なにコレ物産館22

コシととろみが特徴、食すことのできる国の天然記念物

今回は、私が常備しているモノをご紹介します。

こちら!

熊本城下町に残る老舗料亭「日本料理おく村」のオリジナル素麺「珀翠」と
麺つゆ「琥珀の詩」です。

皆さんは、「ひご野菜」(熊本市指定)の一つ、“水前寺のり”をご存じでしょうか。
数億年前から熊本県と福岡県の一部、環境のよい水の中でのみ生息する淡水のりで、
かつては細川藩から幕府への献上品として珍重されていました。
いまは国の天然記念物にも指定されている、とっても希少な“食することのできる天然記念物”!
また、日本人に不足しがちな鉄分やカルシウムを豊富に含み、
抽出される「サクラン」という成分は、保水力がヒアルロン酸の約5倍と言われています。
最近ではサクラン入りの化粧品も見られるようにましたね。

ところで、くまもと5ツ星でもおなじみ、奥村賢料理長は“水前寺のりマイスター”としても活躍中。

料理長が水前寺のりの特徴を存分に生かしてつくりあげたのが、「珀翠」と「琥珀の詩」というわけ。

まず、「珀翠」は水前寺のりを惜しげもなく練りこみ、伸びにくく、コシがあり、
夏場だけでなく煮麺やチャンプルーにしても楽しめます。
「琥珀の詩」はサクランのとろみ成分が生かされてトロっ。

今日はグッチ祐三さんレシピ「いりこそうめん」をアレンジしてみました。
体にも良く文句なしのおいしさです。

日本料理おく村
熊本市中央区新町1-1-8
☎096-352-8101

店頭で購入の場合はお電話でお問い合わせを
オンラインショップはこちらから
https://www.e-okumura.net/

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ノグチミト

元「リビング熊本」編集長
現在はコミュニケーション・プランナーとして、企業の商品やサービスに関するアドバイザリー業務に従事している。
首都圏有名レストランのシェフ、料理研究家、飲食コンサルタントなど“食”のプロフェッショナルとの幅広いネットワークを持ち、地域産品の商品開発から販売促進までのトータルサポート業務およびブランディング業務も行っている。
ほか大学の講師(地域メディア論)など。

熊本なにコレ物産館15

料亭の厨房でいただく裏メニュー。絶品の”角打ち”UFOとは!?

「くまパワ+」でもおなじみ、熊本のカリスマプロガーけんさむさんが昨年、ブログで紹介されていた“角打ちUFO”。

けんさむさんのブログはこちらから

「くまもと5ツ星ファミリー」の一人、日本料理おく村の裏メニューとあり、これが食べてみたくて食べてみたくて6代目に直談判したところ、

「よかですよ」

とあっさり、ちゃちゃっと作ってくださいました!

熊本地震をきっかけに誕生したというこの“角打ちUFO”。
そういえば、熊本地震直後から積極的に支援物資を受け入れ・提供を行っていた奥村さん。“少しでもみなさんに温かい食事を”と大量に届いたインスタント食品の中から、UFOを6代目風にアレンジしたのがこの焼きそばなのだとか。加えて、厨房でわいわいつついたことから“角打ちUFO”と名付けたのだそうです。

 

この日は店休日をねらっておうかがいしたので、いつもの胸に「くまもと5ツ星」のロゴが入った白衣ではなく、ジャージー姿といういで立ちの6代目。

 特別に厨房に入れていただきましたが、さすが! どこそこぴっかぴかです!


さて、具材はネギ、キャベツにこの日はスティックセニョールも加わる豪華版。


途中、ネギをシャキシャキ食感にする切り方などのレクチャーをしていただきつつ、麺はカップの中にお湯を入れて待つこと3分。

野菜はフライパンで軽く痛めて、お湯を切った麺、付属のたれに、秘密の激辛調味料をあわせてできあがり!


ジャ、ジャーン!

コレです、コレです!
けんさむさんのブログで見てあこがれていた焼きそば!

野菜のシャキシャキ感と紅ショウガがいいアクセントとなり、ピリリと辛めのソースが後を引くおいしさ!!

最高です。

この焼きそばは裏メニューにつき、通常は食べることができませんが、おく村の柄違いの名刺、6種を集めた方にはふるまっていただけるそうですよ。

 

 

日本料理おく村
https://www.e-okumura.net/
熊本市中央区新町1-1-8
096-352-8101

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ノグチミト

元「リビング熊本」編集長
現在はコミュニケーション・プランナーとして、企業の商品やサービスに関するアドバイザリー業務に従事している。
首都圏有名レストランのシェフ、料理研究家、飲食コンサルタントなど“食”のプロフェッショナルとの幅広いネットワークを持ち、地域産品の商品開発から販売促進までのトータルサポート業務およびブランディング業務も行っている。
ほか大学の講師(地域メディア論)など。

料理人が斬る! 熊本の逸品食材09

肥後野菜の○○を、おく村が斬るのだ!

松の内も明けてしまいましたが本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて新年一回目の5ツ星ブログはまずは問題から。


これ何でしょう?

ヒント

沢山咲いていました。

花が咲きました。

夏の時期にたまたま訪れた圃場で撮り収めたものです(^O^)

答えは僕も初めて見たんですが、お正月にお節料理の中に入る熊本市が指定する熊本伝統野菜『肥後野菜』の一つ熊本長人参っ!

葱坊主にしては背が高いなーとか思いながら生産者さんとお話していました。
実は僕。。。人参嫌いなんです(笑)
でも調理次第で食べれるんですけどね。

では今回熊本長人参について書いちゃおーっと♪

熊本長人参は江戸時代に熊本へ運ばれた東洋系の人参で、熊本で作り続けられてきた伝統野菜として熊本市が指定する「肥後野菜15品目」の一つに指定されています。

名前そのまま長い人参なんです(笑)
土がついていると牛蒡みたいですよ。

熊本では昔から縁起物として正月のおせち用などに生産されており、現在田崎市場に出荷されるのは12月25日に一回だけと聞いています。
それもあり収量が少ない時はビックリするくらいお値段も高くなります。
以前取引した際、1箱10kgでしたが収量が少ない年で原付が中古で買えるくらいの時もありました(´-o-`)ボソッ 

人参なのにビックリですね・・・

収穫に手間がかかる事など今は生産者も少なくなり中々目にすることも少なくなってきましたが、おく村がお世話になっているのは生産者さんは伝統の野菜を絶やさないよう熊本長人参を作り続けておられるんですよ。
季節は冬場で3月頃まで収穫されます。
おく村ではお節料理に欠かせない熊本の特産物の一つとして熊本長人参を酢漬けにして叩き牛蒡と共に使っています。

色は鮮やかな赤に近いオレンジ色でその名の通り長いんです。
長い物は1mくらいになります。
数回人参収穫を見に行きましたがその収穫スタイルはまさに化石発掘現場(笑)

地上より抜くと長い人参が途中で折れたりするので長人参の横をユンボで1mくらい掘り、その穴の中から土を外しながら長人参を収穫していきます。

子供たちは喜んで収穫のお手伝いをしますが僕なんて穴から上がってこれなくなり・・・以下省略(笑)

さてこんな手間のかかる長人参を今回酢漬けをご紹介します。
おく村では、かつお節の香る『土佐酢』に漬けていきます。
皮をむき長さを揃えた長人参を一度ボイルします。

竹串がスッと刺さるくらいの硬さになったらそのまま準備した土佐酢に漬け込み冷ませばOK
次の日にはしっかり味が染み込んでいると思います。

小分けにして食べる時に綺麗な取り箸を使ったりすると1ヶ月くらいは余裕で持ちますよ。
食べる時に胡麻やかつお節なんて掛けちゃうとさらに美味しく食べれと思います。だって僕が食べれるから~(笑)
今回はお年玉として気になる土佐酢のレシピでも~

<おく村秘伝!土佐酢>
米酢
200cc
清酒200cc
みりん70cc
出汁300cc
砂糖50
薄口醤油100cc

家庭用に少しアレンジしていますので調味料はお好みで調整してください。
まずお酒とみりんに火を入れアルコールを飛ばします。
それにかつお節と昆布で取った混合出汁を加えて米酢、砂糖薄口醤油を足す。
沸騰寸前に追い鰹をしすぐ火を止め灰汁が出たらサラッと灰汁をすくいネルなどで濾します。

上達したら追い鰹多目など挑戦してください。
かつお節の香る酢美味しいですよ。
冷めたらペットボトルなどに移して冷蔵庫保管にすると半年くらいは大丈夫かと。
この土佐酢万能なんで各種様々なお料理に使ってください♪

ではでは今年も不定期ブログ頑張ります。

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

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料理人が斬る! 熊本の逸品食材08

本陣! おく村が、水前寺のりを斬る(1)

随兵寒合(ずいびょうがんや)熊本では藤崎八幡宮秋季例大祭が終わると朝晩がめっきり冷え込んできます。これを隋兵寒合(ずいびょうがんや)と言ったりします。

最近は祭りの事などでバタバタと走り回っていることもあり随分間が空いちゃいました。気を取り直して今回はおく村イチオシのスーパー食材、水前寺のりを書いてみます。

水前寺のりって書き始めると止まらなくなるので数回に分けて書いてみます。

今回は『食べる』に着目します。

ところで皆さん水前寺のりってご存知ですか?
おく村と繋がっている方はよく存じてらっしゃると思いますが。学名はスイゼンジノリ、明治の初めオランダの植物学者スリンガーという人が水前寺公園(水前寺成趣園)内で発見し、世界に発表したことから地名が名前になっていたりします。

生産地も熊本だけではなく福岡、宮崎、など九州の中でも阿蘇の水系で育っているようです。

今では福岡と熊本だけになってしまっていますが、福岡では寿泉苔(じゅせんたい)や川茸(かわたけ)等という名称になってたりします。

採れたての水前寺のりは生でも食べることが出来ますが、腐食のスピードが早くしっかりと下拵えをしなくてはなりません。通常僕達の所へ来る水前寺のりは小さな虫や貝、他の藻類などを取り除き塩漬けにすることで殺菌して出荷されます。

その期間は最低2週間。とある生産者さんは2か月半をかけるところもあります。

おく村では熊本の生産者さんのお手伝いの意味も込めて塩漬け、掃除の作業を手伝ったりしていますがもの凄く手間のかかる作業で価格も高騰化してしまうのも理解できたりします。

塩漬けから貝やエビなど共生する生物や水前寺のりの仲間である他の藻類などを取り除いたりしながら丁寧に仕上げていきます。この作業を数日間繰り返すと赤い色をした水分が出てきて同時に水前寺のり自体は鮮やかな緑色になります。

これが→
 こうなって→
そして、、、、、

ここで一般流通品となります。

現在、フレッシュとしての一般販売には料理屋さんなどが主で価格等まだまだ難しい部分も多い事もあり食品などに添加し一般販売をしています。

福岡の水前寺のり入りこんにゃく

現在、熊本では 『水前寺のりくまもとの会』と言う会を立ち上げ、食べる事で、使う事で水前寺のりを後世に伝えていくという活動を行っています。おく村は初期メンバーとして色々な食の研究をしながら商品開発を行っています。

その 一部に水前寺のりをふんだんに練り込んだ素麺、メンバーの生麩屋さんは和スイーツとして水前寺のり入り生麩万十を制作販売しています。

2015年春に益城町にグリーンサイエンスマテリアル(金子慎一郎社長)さんが新たにオープンした水前寺のりのプラントで熊本産の水前寺のりを広く伝えていけるようにしたいと思っています。

水前寺のり。江津湖に群生していた頃を知る方達は年輩になり、子供達に伝えていくと言う事が難しくなってきています。聞いた話しでは以前は江津湖で泳いでいると口の中に水前寺のりが入ってくる位居たそうです。昭和28年の6.26大水害後、今は皆無。

世界でも熊本県と福岡県にしか生息出来ていない水前寺のりを熊本県の誇りとして子供達に伝え、後世に残していかなければなりませんね。その為には食卓に上がる水前寺のりを食べながら、対話を通して伝えていって欲しいと願っています。

この記事をご覧の皆さん、可能であれば是非シェアして頂き、水前寺のりを食べる事で守っていく活動のお手伝いを宜しくお願い致します。

それでは、第二弾へとつづきます、、、

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奧村 賢

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2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

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明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

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料理人が斬る! 熊本の逸品食材07

おく村に、あの、けんさむさんが来た!

今年はアニバーサリーイヤーカウントダウンってこともあり、
いろんなイベントを計画しております、日本料理おく村です♪♪

先日(3月9日、10日)に開催された
アーティスト高橋理子(HIROCOLEDGE)の
浴衣受注会もそのひとつ。

和のイメージでステキな浴衣や小物を見て、
僕も着る機会つくってでも着よう、と感じたとこでした。
たくさんのご来場、ありがとうございました!


↑この子、おもろいっ!

特に若い方々、たくさんご来場いただきました〜
期間中は、おく村特製鯛茶漬けを限定で出しておりました。
これが、なかなか好評でして。。。

さてさて、受注会期間中に訪れた
若者の中の一人に、一眼レフ片手に鯛茶漬けを食べながらも
熱心に撮影している青年がひとり。
声をかけてみると、料亭で鯛茶漬けが食べられると聞きつけて
ご来店いただいたようで。。。お名前を聞いてみると。。。。

「けんさむ、です。取材お願いしますっ」

すぐさま「けんさむ」と検索(ここ、笑うとこ!)してみると、
なにやら熊本でも屈指のブロガーらしい、、、、

なぜか、負けちゃらんねぇ(笑)と火が付いて、
一部の人の間で大人気のマシンガントーク。

鯛茶漬けへの愛を語っていた流れで、ついついぽろっと出てしまった

ナイショも、ナイショの、裏メニューの話。

その名も、

「おく村 角打ちUFO」

爆、、、、

料亭でUFO、ってことで秘密にしていたのに、
ぽろっと言っちゃったもんだから、けんさむちゃん、興味がわいてきたようで。

質問の嵐!

UFOだけはダメッとひたすら話を逸らしたんですが、
やはり食へのあくなき探求心をお持ちのブロガー、けんさむちゃん。

根負けしました。。このおく村が。。。。

自称「開かれた調理場」へ案内し、
角打ちUFOの全貌を明かしてしまいました。

あ、
UFOって、あの焼きそばUFOを少しアレンジして
大人なUFOに仕上げているんです。

イベントフルコンプな方や、趣味嗜好が合って
おく村をしっかり理解している方にしか出さない
ある意味、裏中の裏メニューなんです。

それが、こちら!

その時の模様が、なんと、月間PV35万!のけんさむちゃんの
ブログ記事になったから、さぁ大変(笑)
ドジョウが出てくる前に読んでくださいねぇ

謎に包まれた、おく村角打ちUFOが説明付きで載ってるし。
興味のある方も、そうでない方も是非!

けんさむちゃんのブログは、
こちらから!

そして、そして!
浴衣受注会限定のつもりだった
おく村特製の鯛茶漬けも、ランチで出しています。
ぜひ、気軽に召しあがっていただける
料亭のランチ、いかがでしょ!

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

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料理人が斬る! 熊本の逸品食材06

熊本の郷土料理を、斬る!

久々の更新になります(笑)
年末年始に事始めなども終わり春はもう少しですね。

さて今回のおく村5ツ星ブログは郷土料理。

くまもとの郷土料理って言えば馬刺し、
ひともじのぐるぐる、
だご汁にからし蓮根と
その土地土地の風土環境から生まれた
正に郷土料理です。

そんな郷土料理の中から、
からし蓮根について書いてみます。

熊本の代表的な郷土料理として有名なからし蓮根は、
今から
400 年近く前に初代肥後細川藩主、細川忠利公が
体が弱かった事から
豊前耶馬渓漢寺の禅僧玄宅和尚に
増血剤としての効力のある蓮根を食べるように言われたそうです。

そこで藩の料理人達に
今でいう蓮根料理選手権を開催し、
平五郎さんと言う方が
熊本名産の麦味噌の中に和辛子粉を混ぜ蓮根の穴に詰め、
肥後の空豆粉、卵黄を混ぜ合わせた衣をつけ、
菜種油で揚げたからし蓮根を作ったところ
忠利公の体調が回復し、
輪切りにしたその断面が細川家の九曜紋に似ている事から
いたく気に入られ藩の門外不出料理となったと言われています。

明治維新辺りまでは殿様以外食べれなかったみたいです。

おく村のある新町にも数件のからし蓮根店があるんですよ。
現当主が18代目で当時細川忠利公に
からし蓮根を献上した森からし蓮根さんがあります。

ここのからし蓮根の特徴は
鼻を抜けるツンっとした辛味と
絶妙な衣のモチモチ感が特徴です。

個人的な話ですが、
郷土に根差したからし蓮根
残念ながら子供達には受け入れられない
あの辛さをどうにかしたいと以前より考えていました。

永年味を守り次世代へ繋げていくのもそうですが、
その時代にあった食べ方があったのも
400年もこの土地に根差してきた所以でしょう。

題して新 郷土料理!(笑)

辛いからし蓮根
今の子供たちにも受け入れてもらえるアレンジ料理♪
作っちゃおう、と思い立ちました。

あの辛さを取りたいが
取っちゃったら郷土料理のからし蓮根じゃないし・・・
あの辛さをうまく利用する形で
子供達と一緒に食卓で囲める一品に!

辛みをマイルドにするのは油使った料理。

残すべき部分を考えてみようかな・・・

からし蓮根の独特の食感とピリ辛感。
これは捨てれない・・・

森からし蓮根を使うとなると
皮も主張させなきゃならない。

自分でハードルを上げながら()
出来ちゃいました。

実は今回は、
くまパワ番組企画連動ブログなのです。

真ん中の白い帽子をかぶっている彼こそ、
森からし蓮根の19代目をめざす、森伊吹くんです。

子供達でも食べられる、新 郷土料理については、

<<<<放送日が変更になりました>>>>

3月7日木曜1555分からの
KAB熊本朝日放送くまパワ内にて放送予定です!


少し手間を掛けて作っていますが
番組内では抜いてもいい手間の説明も
()あるはず。

お時間ある方はもちろん、
無い方も録画してでも是非ご覧くださいね♪

—————————————————————————

番組見て作りたくなりそうな方に
<用意する材料>
◎からし蓮根(新町 森からし蓮根)
◎ジャガイモ(五和町のメークイン)
◎サツマイモ(菊池の紅はるか)
◎卵黄、サラダ油、塩(天草)

さてさて、この材料からどんなからし蓮根か、
想像できますか???

 

この記事を書いたひと

奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

https://www.e-okumura.net/

料理人が斬る! 熊本の逸品食材05

KAB元気フェスタの丼全貌紹介!

いつもよりフライング気味の5ツ星ブログです♪
いよいよ今週末、10月20日土曜、21日日曜に
迫った
KAB元気フェスタ♪

今回もおく村出店しちゃいます。

今回は昨年のパワーアップバージョン♪のどんぶりです。
以前このブログでもアップした

里山農場梅山豚(さとやまのうじょうめいしゃんとん)

阿蘇の大きな茄子ヒゴムラサキ

熊本製萠のもやし

ピリ辛バージョンとさっぱりと酢漬けの
二種からチョイスにて(^O^)

そんな今回のどんぶりもくまパワの取材頂きました。
今回のリポーターはかめきちさん♪
実は同い年なんですよ。

それではどんな感じで出来上がっていくのかを書いていきますね。

ヒゴムラサキってほんとに大きな茄子ですね。
ヒゴムラサキは大胆に輪切りにして油で焼いていきます。

茄子と油は相性がいいのですが
必要以上の油を吸わせないためにジワジワと油を吸わせ
火を通していきます。

その際、串などで丁寧に油の通り道を作るために穴をあけていきます。

フライパンに薄目に油をひき、弱火にしヒゴムラサキをならべていきます。
細川家の家紋九曜紋みたいです。
熊本の茄子って事に思いを込めて()

丁寧に焦げ目がつくくらいに焼きあげて
一度冷ましながらさらに余計な油を落とします。

この大きな茄子を幻の豚梅山豚から出る
出汁で炊きこんでいきますよ。

通常豚肉はさっとボイルして使うんですが、
梅山豚を
100パーセント使いたいので切り出したらそのまま使います。
出来た出汁に梅山豚を入れ、
一煮立ちしたら茄子をそっと入れさっと焚きあげ
冷ましたら出来上がりです。

出来た物をかめきちさんに食べて頂きました。
今年は昨年にも増して美味しいドンブリが出来ました♪

元気フェスタ限定のおく村のドンブリは
100食限定1杯700円。

当日はおく村ブースに常駐します(^O^)/ので
熊本の美味しいを是非食べに来て下さいね。

一緒にあのポーズで写真、撮りますよ()

KAB元気フェスタは、
10月20日土曜、21日日曜の2日間、
グランメッセ熊本で開催します。

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
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料理人が斬る! 熊本の逸品食材04

熊本の、畑の力こぶ

幾分過ごしやすい季節になってきましたが、熊本市内近郊では相変わらず生産物が少ないです。
雨に台風・・・この異常気象と言う言葉は畑を回るまでは他所事でしたが、雨は降らずとも曇天が多く、晴れ間が無いことには生産物も光合成のレベルが落ち、味や品質に影響を及ぼします。

そんな中でも元気一杯頑張っている生産物の話題でも!

今時分は胡瓜や木耳などのきのこ系などになりますが今回は新生姜です。県内で生姜の産地として有名なのは、やはり八代の東陽町でしょうか。

しか〜し! 今回ご紹介するのは、植木の新生姜です。

生産者の伊藤農園さんは、親子で一所懸命土作りからこだわっています。夏の間、クーラー等で冷え切った体を温めるのには生姜が一番!、と健康を意識した生産をしてます。

その名も『畑のちからこぶ』

いかにも、強くなりそうな名前です∩`・◇・)ハイッ!!

さていざハウスの中へどこの圃場へ伺っても交配用の蜂以外の虫が飛んでるものなんですが、生姜の圃場をみてビックリしたのが虫が居ない!
生姜って薬味なんだなと改めて思いました。

高さは2mにも育ちます。

勿論小さな蜘蛛などは居るんですが、コバエ系の俗に言う害虫が全く見当たらなかったのがビックリしました。

僕は板前として大事にしていることがいくつかあるのですが、大切な事のひとつで自分の口に入らないものはお客様に出さないと決めていることがありまして、今回目に留まったのが生姜の葉。

収穫後切って不要な部分は畑の養分になるため放置されてました。

それで何か作れないかな?と思い噛んでみました。

どんな味がしたと思います?

勿論、生姜の香りが強いんですが、もうひとつどうしても邪魔する香りがあるんです(笑)
それは僕と直にお会いした時の話の種として書きませんが(謎)何の香りがするのか気になる方は、僕の顔を見たら聞いてください。

捨てる生姜の葉っぱも1束頂いてお風呂に入れてみました。
熊本弁で言うスースースーで新たな可能性も・・・

っと横道にそれてしまいましたが、土からちょこっと顔出す生姜発見!

丸ごと取れるように丁寧に掘り出し、

茎の部分をカットし、洗浄後出荷されます。収穫後は綺麗な道が出来てます。
ほのかな生姜の葉っぱの香りに包まれる圃場です♪

しかし、折角圃場まで着たのだからと茎ごと戴いて帰る事にします。畑に立つ板前さんをアピールする為に玄関に数日飾ろうかと思います。

しかも土つけて♪

虫の来ない生姜を玄関に置いておくと邪も寄せ付けないと思い(´-o-`)ボソッ
持ち帰った新ショウガはまずは玄関へ飾り、残りは仕込みます。

どれが親生姜(いわゆる種になる生姜です)かわかりますか?

芋と一緒で親生姜から子供が増えていき、親から離れるほど辛味が弱くなります。
スーパー等で買っちゃうと混ぜこぜなんで辛味をチョイス出来ませんが、生産者直通だとどこが辛くてどこがまろやかって選べますね♪

冬へ向かってだんだん寒くなっていく熊本。
冷房で冷え切った体を生姜を食べて体の中から温めて健康に過ごし食欲の秋に備えましょうね∩`・◇・)ハイッ!!

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
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料理人が斬る! 熊本の逸品食材03

店の畑の、雲南百薬を斬る!

雨が続くと思ったら暑い日が続きだし…
お盆も過ぎると幾分朝晩は涼しくなり始めてるような気もしますね(笑)

さて今回の5ツ星ブログは雲南百薬(ウンナンヒャクヤク)です。
読んで字のごとく何かとんでもなく体に良さそうな名前ですね♪

少し厚めの葉っぱでハート形♪ 湯がくと若布のような食感になる事から『おかわかめ』とこんな名前もついてます。

数年前に宮古島の生産者から少し分けて頂いたんですが、普通にお浸しにして食べたところ、粘り気が出て美味い!

しかも百薬とかってネーミングが最高!

ただ毎回毎回宮古島から引くとなるとやはり運賃が気になるところですね・・・。しかし、以前に比べると今では道の駅などでも見る事が出来るようになりました。

ゆがいて食べてみると食感まさに若芽!
生でサラダでもいいし、湯がけば湯がくほど美味しくなるとも言われ、素人さんでも十分美味しく調理できると思います。

百薬というくらだから、それはそれは栄養価が高い野菜だろうって思いますよね。

まさに、その通り!

栄養価(マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅)や ビタミンA(ベータカロチン)、葉酸などを多く含んでいるらしいです。しかも、美味しい、ときてます。ネットとかで調べてみても、

「マグネシウムは、○○の、○倍含まれています」

なんて書かれ方しているのです。信じますよね、百薬という名前だから(笑)

こんな『雲南百薬』をおく村ではいつもお世話になっている和水町の上田さんから昨年分けて頂き、駐車場横の小さな畑で栽培しているんですよ。栽培は意外と簡単で条件が合えばドンドン増えます。ありがたい!

これ、ひとつの根っこからこれだけ増えているんですよ

今年は初の収穫を迎え、早速お浸しに。

献立の中にちょこちょこ入れていきます♪
皆さんも是非、雲南百薬(おかわかめ)食べてみてくださいね♪

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

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料理人が斬る! 熊本の逸品食材02

熊本の、梅山豚(めいしゃんとん)を斬る!

7月に入り梅雨が明け、暑い日が続いていますね。
こんな暑い日は冷たいお料理でも食べてひんやりしたいですね。

だって暑い日の調理場は40度越えてるんです・・・(ひいいい)

快適な調理場にするためにエアコンが欲しい・・・()

そんな暑い日には茗荷や大きめに切ったキャベツや
玉葱などのお野菜とキンキンに冷ました豚しゃぶをすり胡麻をたくさん入れて
さっぱり胡麻の風味の効いたポン酢で食べるの好きなんです。

そこで今回は普通の豚とは違う幻の豚と言われる・・・


梅山豚(めいしゃんとん)のお話でも。

豚には大きく分けてヨークシャー種(白豚↓)と

バークシャー種(黒豚↓)とわかれます。

今回ご紹介する梅山豚(めいしゃんとん)は、
写真の黒豚(バークシャー種)になります。

それでは軽く梅山豚(めいしゃんとん)について説明します。

中国では一般に家畜として飼われ、余った食材などの生活ごみ等を食べさせ、
お客様が来たときなどに食材として使う、日本で言うと鶏みたいな感じでしょうか。

当時から中国の在来種で肉質はとても良かったと聞いています。
梅山豚(めいしゃんとん)中国の太湖豚(タイフウトン)系の原種豚の品種名で日中国交正常化の際に
中国から日本へ送られてきたパンダに続き梅山豚10頭が寄贈され、その10頭は御料牧場で飼育されていました。

当時、個人で輸入した生産者さんが北関東にいましたがその後中国政府が輸出禁止品目に指定した為、
今では当時日本にいた豚の子孫になっています。

黒豚で、西遊記の猪八戒のモデルになった豚とも言われ、
脂身が多いので好まない方も多いんですが良質の脂の為凄く美味しいといわれます。

一見豚って汚い、臭いイメージが強いんですが実は綺麗好きでストレスを溜めやすい生き物だといわれてます。
実はストレスがたまると肉質に影響したりする繊細な生き物なんです。
実際いい肉質の物は切り置きしたお肉からドリップが出なかったりするのでやはり一理あるかと思います。

美味しい肉質の豚を育てる為にはどうしたらいいのか?

生産者さんに聞いてみると肉質を良くするためには糞便が一番解りやすいそうです。
人もそうですが、体調が悪いと糞便が臭くなったりするのと同じで
美味しい肉質にするには腸内を綺麗に保つこともそのうちの一つだそうです。

実際伺った豚舎は豚特有の鼻の曲がるようなキツイ臭いは感じなく、何よりハエの量が少ない。
数軒の豚舎を回った事がありますが、どこもゴミなど嫌な臭いに群がるハエが大量に発生し、
喋ると口の中に入ってくるくらいブンブン飛んでいて
白豚が黒くなるくらい飛んでいますがここはほとんどハエが居なくとてもきれいな環境で生産されているんだなと感じます。

通常の豚は生後6ヶ月で出荷されるんですが、
この梅山豚は
10カ月掛かりそのため生産者が少ないのも幻の豚と言われる所以でもあります。
1年間に2回出産し、1回の平均が10頭生まれます。
親豚は5年間生み続けて約100頭の子豚を生んでその生涯を終えます。

上の画像は、生まれて1ヶ月くらいの梅山豚です。

不思議な事に大きくなりすぎると白くなってます。

ちなみに雄より雌の方が美味しいそうですよ。
私たち人間のために生まれてきて、その生涯を終える生き物達。

この生き物達のためにもちゃんと調理し、残さず食べなくてはなりませんね。

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奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
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料理人が斬る! 熊本の逸品食材01

熊本の、鱧(はも)を斬る!

KABくまもと5ツ星ブログ復活します! 日本料理おく村の奥村です(^_-)-☆

日本料理の世界の立場で、旬のものだったり伝統文化だったり食を絡めて発信していきたいと思います。これからも宜しくお願いします。

 

さて、くまもと5ツ星企画ブログリニューアル
第一回目は『鱧(はも)』

鱧と言えば熊本では天草の『黄金の鱧』がありますね。
熊本ではこの時期になると骨切をし、湯引きした物がスーパーなどに並んだりしますが最近では鱧も高価な物になってしまいました。

鱧は梅雨の雨を吸って美味しくなると言われています。

そして鱧は3回の旬があるって知っていますか?

まずは梅雨の始まり6月頃の『走りの鱧』はまだ産卵前で脂がのり始めるが淡白な感じの味で、沢山の梅雨の雨を吸った7月頃の『旬の鱧』はお腹に沢山の卵を持って脂ものりまさに絶好調!

そして卵を産んで痩せ始める8月以降の『名残の鱧』は適度に脂も落ち、淡白な感じの身質になっていきます。

6月から7月はじめの時期、お刺身で食べる際など梅肉で食します。

梅雨の雨を吸って美味しくなる鱧はおなじ頃に漬けあがる梅との相性は抜群で、おく村ではこの時期に梅干しを作り、調味した特製の梅肉醤油に山葵を溶かして召し上がって頂いています。

鱧を使った料理もそれぞれに合わせた調理法があります。
御椀物にお刺身、揚げ物、しゃぶしゃぶ、土瓶蒸しみたいな感じです。

 

さてそれでは皆さん、鱧ってじっくり見た事あります?

鱧って美味しいんですが、

凄い狂暴なんですよ(笑)

生きているものを〆る時何度も噛まれた経験アリ。
結構痛いんです・・・

しかも噛んで暴れるんで傷が・・・イタイ・・・
首に包丁を入れて〆た後でも暴れ狂う本当に怖いやつで。

〆た後も暴れたり生命力が抜群という事で海が遠い京都などでは重宝され、名物料理になっていったと言われたりします。

 

そんな怖い鱧ですが、美味しいから鱧の時期になると毎度献立に入れちゃいます。
ご存知の通り、鱧は小骨が多い為骨切をして食べやすくし、湯引きして調理します。

骨切は1寸25本と言う言葉があり、1寸は約3㎝なので約1mm幅くらいで包丁を入れていきます。
鱧の骨切包丁も専用の包丁があります。
出刃包丁を細く長くしたような感じの包丁なんでこの時期にしか使わない季節現地の包丁でもあります。
ちなみに僕の使っている骨切包丁は世界に5本しかないさらに細身の特注品なんですよ。
その包丁に負けないように精進しようと思っています(笑)

簡単に身を切り込んでいくのではなく、皮を一枚残してギリギリで鱧の身に包丁を入れていくんです。
しかも薄くても食感が悪くなるのでギリギリ身の厚みを感じれるくらい。
僕は薄過ぎると美味しくないと感じるので骨を感じないくらいのギリギリ厚めに包丁を入れます。

召し上がるお客様に骨が当たって痛い!って言われないように丁寧に骨切していきます。
今回は煮物椀用に牡丹鱧(ぼたんはも)です。
綺麗に骨切が出来れば次の工程は粉打ちします。

骨切した鱧に片栗粉を丁寧に一枚一枚打っていき、一度ボイルします。

その名の通り牡丹の花のようです。
粉を打つ事によってつるつるとした食感と見た目も涼しく感じられます。

いよいよ『旬の鱧』の時期に突入です。
美味しい鱧を様々な料理で是非召し上がってくださいね(^_-)-☆

 

ではまた来月♪

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<特集>

KABくまもと5ツ星のサイトオープンです!

「熊本のおいしい星を、探すのだ!」

この合言葉で2014年にスタートした、KAB熊本朝日放送の
「くまもと5ツ星プロジェクト」。

熊本の食は、ポテンシャルが高い! おいしいものがたくさんある。
一生懸命に取り組んでいる生産者さんもご紹介したい!

もっと、もっと、たくさんの人に発信していきたい。

そんな思いからこのプロジェクトはスタートしました。
KABの番組や、毎年10月に開催される「KAB元気フェスタ」、
5ツ星マルシェなどのイベントで、これまでおいしい星を発信してきました。

これまで蓄積してきた星情報はもちろん、
これから見つけ出していくおいしい熊本の宝について
いろんな人と共有できる場をつくるために、このサイトをオープンしました。

いろんな角度で、いろんな人の目線で、熊本の食の魅力を発信していきます。

どうぞ、よろしくお願いします。

今回、このサイトを制作するにあたり
いろんな方にご協力いただきました。

まず、トップのこの画像。

熊本産のお野菜の中にあるテーブルナプキン(帽子じゃないですよ!)。
どうしても5ツ星のロゴを刺繍したくて、この方にお願いしました。

このサイトの記事を書いていただいている、熊本市新町にある日本料理「おく村」のご亭主、奧村さんです。

白衣の胸に、料亭のロゴの下にある5ツ星のロゴ。
自らつくって愛用されているのを思い出して、無理言ってお願いしました。
ありがとうございますぅ。

そして、この画像で使っているアイシングクッキーは、
熊本市内で活躍されているアイシングクッキー作家DECO-HANA」さんにお願いしました。
10センチの星の中に、「このロゴを再現して」とおそる、おそるお願いしてみると

「いいですよ〜」のお返事。で、このクオリティ!

デコフード、アイシングクッキーの作家さんとして活動されています。

そのアイシングクッキーの下にある、素焼きの星型クッキーは
5ツ星のプロジェクトによくご参加いただいているケーキ屋ボンボンシュシュー」さん
撮影用のクッキーですが、最後はおいしくいただきたい! という、撮影部隊の希望を
サクサクッとかなえていただきました。撮影後は、もちろんおいしくいただきました!
この「ボンボンシュシュー」さん、6月末から熊本駅内の「よかモン市場」にも出店されています。

そして、今回オリジナルで撮影するにあたり、撮影場所としてご協力いただき、
熊本の食材集めにも奮闘していただいたのが、「HARU-LAB」の相藤春陽さんです。
ブログ記事もお願いしている管理栄養士さんですが、スタイリングとコーディネートをお願いしました。
お野菜の色の良さ、バラエティ豊かさ、これぞ熊本の食材の底力! が伝わります。


HARU-LABさんでは、こんなおしゃれな食のイベントも行われていますよぉ。
おいしそ!

そして、そして、
写真撮影をお願いしたのが、熊本を中心に活躍中の女性カメラマン、
山口亜希子さん(Y STUDIO)。野菜の並べ方、クッキーの配置、全体のトーン。
もう、イメージ通り、というか、それ以上に仕上げていただきました。
感謝、感謝です!

そんなこんなで、
いろんな方たちを巻き込んで、つくりあげたくまもと5ツ星のサイトです。
これからどんどん熊本の食の情報を積み上げて、このサイトを育てていきますので、
よろしくお願いします。

この記事を書いたひと

5ツ星探索隊

くまもと5ツ星プロジェクトが企画するイベントのこと、KAB番組でご紹介した気になるお店や、料理人、食材など、熊本のおいしい星について特別にお知らせしたいことを発信します。

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