三星が見つけた☆くまもと5ツ星24

枝豆のだし漬け

枝豆は夏のイメージが強い野菜ですが、旬は品種によって少しずつ異なり、10月頃まで楽しめます。
熊本でも晩生の品種を栽培する方が多いのか、近所の直売所でもたくさん出荷されています。


今回はこの新鮮な地元産枝豆で作り置きできる料理をご紹介します。


まずは漬け汁を用意しましょう。
だし汁に塩、しょうゆ、みりんで濃いめに味を付けておきます。
生の唐辛子も直売所で売っていたので入れてみましょう。


だし汁は市販のだしパックを使えば簡単に取れます。
自分好みの味付けにするために、できれば調味料や添加物が入っていないものを選んでください。


それから、枝豆はしっかりと洗ってざるにあげ、水を切ります。


両端をキッチンばさみや包丁で切り落として…。


沸騰させた漬け汁に入れて、3分ほど煮ます。
鍋ごと冷まして味をしみ込ませれば、でき上がり。


まだ暑い日が続いているので、冷蔵庫できりっと冷やして食べてください。


器は水谷和音さんの四寸小鉢。
磁器ですが、どこかやわらかさを感じる器で、アイアンブルーのニュアンスのある色合いが料理を彩ってくれます。


裏側の流れるような釉薬のグラデーションも好き。
器を選ぶ際は、ぜひ裏側も見てみてくださいね。

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三星舞

雑誌「九州の食卓」副編集長を経て、フリーのエディター・ライターに。食に関する取材が得意で、料理と器も好き。九州中を駆け巡って各地のおいしいものを味わってきた経験を生かし、フードコーディネーターとしても活動中です。

三星が見つけた☆くまもと5ツ星23

青なすの冷製

なすとひと口に言っても、千両なすや長なす、丸なすなど、さまざまな形や色のものがあります。
今回ご紹介するのは、青なす。
熊本のスーパーではほとんど見かけませんが、直売所に行くとゼブラなすや白なすとともに並んでいたりします。


青なすの特長は、何といってもこの美しい緑色。
皮は硬めですが、果肉は加熱するととろりとやわらかく変化します。


何を作ろうかなあと悩みつつ、とりあえず皮をむいて蒸してみることに。


青なすに火が通り切る寸前に、思いつきでオクラも加えて一緒に蒸してみました。


蒸しあがったら青なすはラップでぴっちりと包み、保冷剤で急冷。
粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかりと冷やします。


オクラは氷水に取り、包丁で細かく叩きましょう。


オクラを刻みながら「今日も暑いなあ」と窓の外を眺めているうちに梅を土用干ししなければと思い出し、昨年作った梅干しも使ってみようと料理の路線が決定。


叩いたオクラと梅肉に、薄口しょうゆ、ほんの少しの塩、ほんの数滴のみりんを加えてソースを作ります。
しっかりと混ぜ合わせたら、冷蔵庫で冷やしておきます


さて、下準備した食材たキーンと冷えたらいよいよ最終工程。
青なすは食べやすい大きさに切り分け、器に盛り付けます。
翡翠のような美しい色艶にうっとり…。


そこに、オクラと梅のソースをたっぷりとのせ、「青なすの冷製」のでき上がり。
むっちり、とろりの青なすに、梅のきゅんとする酸味、オクラのネバネバ。
さっぱりとしていて、暑い日にこそ箸が進みそうなひと皿です。


器は菊池市の陶芸家・星野久美さんの脚付鉢。
「三星が見つけた☆くまもと5ツ星19」でご紹介した黄マット中鉢と似ていますが、高台の形状が異なるのです。
こちらはちょっとすました雰囲気で、簡単なお惣菜も小料理屋のひと品っぽく演出してくれます。

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三星舞

雑誌「九州の食卓」副編集長を経て、フリーのエディター・ライターに。食に関する取材が得意で、料理と器も好き。九州中を駆け巡って各地のおいしいものを味わってきた経験を生かし、フードコーディネーターとしても活動中です。

三星が見つけた☆くまもと5ツ星22

焼きししとう

南蛮象嵌鉢。
宇城市の陶芸家「萩見窯」井銅心平さんによる作品です。
取材で工房を訪ねた際に、ひと目惚れして持ち帰りました。


模様を一つ一つ刻んでいく、気の遠くなるような作業の跡形。
この器を手に取るたびに井銅さんの顔が脳裏に浮かび、長く大切に使いたいなと改めて思います。


今日は、焼きししとうを盛り付けてみました。
艶艶と油をまとったししとうと、ざらりとした焼き締めの器。
対比が生み出す美しさに心を奪われます。


焼きししとうはとても簡単ですが、おいしく仕上げるためのコツがあります。
まずはししとうのヘタをキッチンばさみや包丁で切り落として…。


楊枝などで2~3カ所穴を開けます。
破裂を防止する空気穴の役割なので、包丁で切り込みを入れてもよし。
これで下ごしらえは終わり。


いよいよ調理に入ります。
フライパンに千切りした生姜と油を入れて弱火で熱します。


生姜の香りがキッチンに漂い始めたら、ししとうを入れてください。
火加減は変わらず、弱火のまま。


じっくりじっくりと火を通すことで、ししとうの甘みと旨みを引き出すことができます。


ししとうの表面が薄皮のように白っぽく浮き始めたら、塩をぱらり。
シンプルな料理なので、おいしい塩を選んでくださいね。
写真ではマルドンのクリスタルシーソルトを使いました。


器に盛り、好みでかつお節をのせたらでき上がり。
かつお節はなくてもおいしいけれど、あると旨みがプラスされ料理の印象がくっきりとします。
ご飯のおかずはもちろん、お酒のおつまみにもおすすめしたいひと品です。


ししとうが一年で一番美味しい夏に、ぜひお試しください。

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三星舞

雑誌「九州の食卓」副編集長を経て、フリーのエディター・ライターに。食に関する取材が得意で、料理と器も好き。九州中を駆け巡って各地のおいしいものを味わってきた経験を生かし、フードコーディネーターとしても活動中です。

三星が見つけた☆くまもと5ツ星21

ズッキーニご飯

小代焼の窯元「一先窯」の茶碗。
山口友一さんが作られたもので、青小代と呼ばれる瑠璃色の美しさに惹かれて購入しました。
手に入れたのは2年ほど前ですが、今でもしみじみと眺めるほど気に入っています。
この器は、晴天よりも今の梅雨時のような薄暗い日に使いたくなります。
取材先の人吉でむちむちと育ったズッキーニを見つけたので、今回はズッキーニの混ぜご飯をご紹介。
ズッキーニは1cmほどの厚さの輪切りにします。
断面からプツプツと水分が噴き出してきたら、それは新鮮さの証。
畑が近い環境で暮らしているからこその恵みだなあと思います。
ただし、時間が経つと水分のぬめりが強くなるので、手早く作業してくださいね。
切ったズッキーニは米油を熱したフライパンに入れ、両面に焼き色を付けます。
仕上げに粗塩を振り、炊き立てのご飯に混ぜ込めばでき上がり。
味を見て物足りなければ、塩で調えてください。
ズッキーニは、私の好きな野菜の一つ。
半割りにしてグリルで焼いて、塩をぱらり。
ごく薄く輪切りにして味噌汁に。
衣をまとわせ、油で揚げてフリットにしても。
年間を通して出回りますが、旬は夏。
一番おいしい時季に、さまざまな食べ方で楽しみましょう。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星20

焼きなすのだし浸し 柚子胡椒添え

なすは真夏の印象が強い野菜ですが、5月頃から旬を迎えます。
初夏のなすはみずみずしく、季節が秋に移ろうにつれて実が締まってきます。
今回はジューシーな初夏のなすを使った一品をご紹介しましょう。


まずは焼きなすの下ごしらえを。
ガクの周りにぐるりと包丁を入れ、ガクを切り取りながら実に切り込みを入れます。


それから実に対して縦に切り込みを数本入れておきます。
これで準備は完了。


焼き網やグリルで皮全体が黒っぽくなるまで焼いて、じっくりと火を通します。


切り込みに沿って皮をむき、食べやすい大きさに切って…。
この時、なすが熱いからといって水に放すのはおすすめしません。
せっかくの香ばしさが消えてしまい、なすも水っぽくなってしまうからです。
やけどに気をつけながら、熱いうちに皮をむいてください。


なすを切り分けたら、酒と塩、しょうゆで味を調えただし汁に漬け込みます。
今回は昆布とかつおのあわせだしにしました。


このまま食べたい気持ちをぐっとおさえて、冷蔵庫でひと晩しっかりと冷やしましょう。
だし汁となすがなじんだら器に盛り、柚子胡椒を添えます。


これで「焼きなすのだし浸し 柚子胡椒添え」のでき上がり。
柚子胡椒はなすにのせてもよし、だしに溶いてもよし。


器は八代市の陶芸家・水谷和音さんの作品で、刺し子をモチーフにしたデザインだそう。
手に取るたびに「かわいい…」と独り言をつぶやいてしまうくらい、今好きな一枚です。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星19

はまぐり素麺

春は、海にもやってきます。
この時期においしいのは、はまぐり。
1月下旬から出回り始め、旬は2~4月。
まさに春を告げる食材です。


今回は煮麺を作ります。

まずは鍋に水を張り、昆布を入れて1時間ほど浸しておきます。
目安は500ccに対して昆布5gですが、適当でも大丈夫。
はまぐりからもだしが出るので、安い昆布で十分です。


鍋に砂抜きを済ませたはまぐりを加え、弱火でゆっくりと煮出します。
アクが出たら取り除きながら、貝の口が開くまで火にかけます。


口が開いた貝から順に取り出し、煮汁が沸騰する直前に昆布も引き上げておきます。


煮汁は酒、塩、ほんの少しのしょうゆで味を調えます。


そこに素麺をぱらり。
下ゆではせずにそのまま1~2分煮込み、麺が好みのやわらかさになったら火を止めます。


一般的な煮麺は、素麺を下ゆでしてからだしに入れます。
しかし、今回ははまぐりのだしを麺に吸わせたかったので、そのまま煮ました。
ゆで汁に少しとろみがついて麺に絡みやすくなるのもメリット。


器に盛り、仕上げに小ねぎを散らして、はまぐり煮麺のでき上がり。


この料理は、10年ほど前、『元祖博多水たき 水月』を取材した際に大将の林田さんから教えていただいたことがヒントになっています。

水月では水炊きを楽しんだ後のスープに素麺を入れて煮る「地獄炊き」を〆に提供していて、鶏の旨味をたっぷりと吸った麺のおいしかったこと!

それをはまぐりで再現してみたというわけです。


器は菊池市にアトリエを構える星野久美さんの「黄マット中鉢」。
サラダや煮物、刺身など、何を盛っても様になるので重宝しています。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星18

春蕾のフリット

草木が若い薄緑に色づき、空気がやわらかく感じられる季節。
春先はなんだか気分が軽くなって、遠出をしたくなります。
先日は芦北町へ行き、ふらりと立ち寄った直売所で春蕾を見つけました。
春蕾はアブラナの一種で、蕾菜や祝蕾とも呼ばれています。


このころんとした形が福福しく感じられて、調理するたびに幸せな気持ちになる不思議な春野菜です。


糠漬けにしたり、スープの具にしたり、炒め物にしたり。
いろいろと使える春蕾ですが、今回はフリットにします。
材料は、薄力粉と塩。


そしてビール。
薄力粉に対して同量よりちょっと多めのビールを合わせ、ゆるめの衣を作ります。


そこに、洗って水気をしっかりと取った春蕾をくぐらせ、揚げていきます。


温度は170~180度で。
衣がカラリとしたらでき上がり。
油を切って器に盛りましょう。


選んだのは宇城市の陶芸家・福島万希子さんの「しろいかたちのリバーシブルプレート」。
両面どちらに料理を盛っても様になる、ひと皿で二度おいしい器です。


芦北町の「岬の御塩」をつけながら、ちびちびと。
衣用に開けたビールが余るはずなので、春蕾のフリットをつまみにぜひぐびっといっちゃってください。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星17

桃寿かぶの即席漬け

県南で取材がある際はよく「道の駅うき サンサンうきっ子宇城彩館」に立ち寄ります。
品ぞろえが良く、活気にあふれた施設です。
珍しい野菜や果物が並んでいることも多く、今回は〝桃寿〟というかぶを発見。

全体が明るい桃色の小かぶです。


切ってみると、中は真っ白。
肉質が緻密でみずみずしく、生でかじると甘みを感じます。
せっかくの美しい色を生かしたいので、今回は加熱せず生で食べられるひと品を作ります。


まずは皮ごと、ごく薄いいちょう切りにして…。


天然の塩をふって、軽く揉みます。


かぶから水分が出てきても絞らずに。
刻みだし昆布を加えてさっと混ぜ、20分ほど置きます。


昆布がかぶの水分を吸って戻ったら、でき上がり。
桃寿かぶの即席漬けです。


皮までやわらかく、ほどよい歯応え。
口をさっぱりさせてくれるので、水炊きやもつ鍋などの鍋料理に添えるのにぴったりの副菜です。


器は水谷和音さんの鎬稜花リム鉢。
釉薬の滲んだ景色が美しく、何を盛っても上品に見せてくれます。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星16

レモンクッキー

国内で最も有名なレモンの産地といえば広島県。
でも、熊本でも県南を中心にレモンが栽培されています。
少量ではありますが10月から翌年3月にかけて直売所に並ぶので、見かけたら購入するようにしています。


レモンパスタや鶏のレモングリル、ドレッシングなどレモンを使う料理はたくさん。
塩漬けで保存もできるし、あって困ることはありません。
今日は皮ごと使ってスイーツを作ります。


薄力粉とアーモンドプードル、てんさい糖、米油にレモンの皮と果汁を合わせて混ぜて…。


薄く延ばした生地を型で抜いていきます。
今日はドイツ製のネコ型にしました。


オーブンの天板に並べて焼けば、でき上がり。


肌寒い日のおやつにぴったりのレモンクッキーです。
飲み物は温かいミルクティーがおすすめ。


器は「朝虹窯」余宮隆さんの刷毛目リム皿。
秋冬は余宮さんの器を手に取る頻度が高まる気がします。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星15

柿の前菜

毎年店頭に並ぶのを楽しみにしている「太秋柿」。
サクッとした食感で果汁が多いのが特長です。
旬が10月中旬~11月中旬と短いので、いろいろな食べ方で楽しみます。

柿を切る時は、葉を下にして筋に沿うように4等分。
もし種があっても避けることのできる切り方です。

皮をむいて食べやすい大きさに切り、器に盛って…。

生ハムとカマンベールチーズを添えてでき上がり。
粗塩とオリーブオイル、黒こしょうをかけて食べます。

器は「朝虹窯」余宮隆さんの木の葉皿。
どことなくフランスっぽいフォルムで、和食以外にも使いやすいと感じています。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星14

和梨のタルト

立派な梨をいただきました。
そのままでもジューシーで、甘くて、とってもおいしい!
しかし一人では食べきれないので、調理することにしました。


まずは皮をくるくると剥いて…。


水と砂糖、レモン汁でコンポートに。


20分ほど煮て梨が透き通ってきたらでき上がり。
シロップごと粗熱を取り、冷蔵庫で保存できます。
ヨーグルトにのせたり、蒸しパンの生地に混ぜ込んだりと、仕込んでおくといろいろと使えて便利です。


今日はここからさらにひと手間かけて、タルトを作ります。
バターと砂糖、アーモンドプードルを混ぜてクレームダマンドを用意。


クレームダマンドを市販のタルト台に入れて、ぺたぺた。


そこへスライスした梨のコンポートを並べます。


180度で30分ほど焼いて、完成。


植木町の「玄窯」齊藤博之さんのフラットプレートにのせました。
連載初回で使った器の色違いです。


ふちの立ち上がりがないので、ホールケーキをのせるのにぴったり。
石のような質感の鮮やかな緑色も珍しくて好きです。


取り皿も同じシリーズのフラットプレートで。
美しい器で食べると、やっぱりおいしく感じる気がします。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星13

オクラのカレー焼き

スーパーには年間を通して並んでいるオクラですが、旬は夏の盛りから秋の初めにかけて。
あのネバネバには胃粘膜を保護したり腸内環境を整えたりする働きがあるのだとか。
人の体が暑さに弱ってきた頃に旬を迎えるなんて、自然のサイクルはよくできているなあと思います。


オクラの下処理はとても簡単です。
がくを包丁でぐるりと削ぎ取って…。


硬い部分は切り落とします。
色よくゆで上げたい時はさらに塩もみをしますが、今日は炒めものなのでこれで完了。


しらしめ油を熱したフライパンにオクラを入れ、焼きます。


コロコロ転がしながら、焼き色が付くまでじっくりと。


夏なのでカレー粉でスパイシーに仕上げてみましょう。


全体にカレー粉を振ってから再びコロコロと転がし、粉っぽさがなくなるまで火を入れます。


皿に盛り、塩を振ってできあがり。
今回はカマルグ・フルール・ド・セルを使いました。


皿は天草の「陶丘工房」のスクエアプレート。
10年ほど前に購入したものなので、もしかしたら今はもう制作されていないデザインかもしれません。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星12

とうもろこしの冷製スープ

今が旬まっさかりのとうもろこし。

薄皮1枚を残して塩ゆでするのがいつもの食べ方ですが、今回はペーストに加工します。
まずは皮を全部むいて…。


実を包丁で外します。
段ボール1箱分いただいたので大量です…!


厚手の鍋でくし切りのたまねぎを透明になるまで炒め、とうもろこしと塩、少量の水を加えて蒸し煮します。
火が通ったらミキサーなどでペースト状に攪拌して、下処理は完了。
小分けにして冷凍しておけばいつでも料理に使えて便利です。


例えばポタージュ。

鍋に解凍したペーストを入れ、牛乳や豆乳でのばして火にかけます。


塩とこしょうで味を調えて完成です。
味を見て物足りなければコンソメを加えても。


この日は冷製にしました。
夏の日差しで乾いた体に嬉しい味です。


器は天草・久窯、江浦久志さんの蕎麦猪口。
手前が染付カナオドリ手葡萄唐草紋、奥が染付葡萄紋。
蕎麦猪口は湯呑みやデザートカップなどさまざまな用途で使えるので、つい集めてしまいます。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星11

きくらげの炒めもの

春雨サラダに入れたり、卵と炒め合わせたり。
初夏に出回る旬の生きくらげは、あると便利な食材。
コリッとした独特の食感が料理のアクセントになってくれます。
今日はシンプルに油とにんにくで炒めます。
生きくらげを洗って水気を取り、石突きを取って食べやすい大きさにちぎります。
フライパンにごま油と薄切りのにんにくを入れ、香りが立つまで熱します。
そこに生きくらげを加え、中火で火を通します。
生きくらげに油がまわり、表面がぷっくりと膨らみ始めたら火が通ったサイン。
日本酒としょうゆ、塩で味を調えて完成です。
今回は生きくらげ100gに対し、ごま油小さじ1、にんにく1/2片、日本酒小さじ1/2、しょうゆ小さじ1、塩少々を使いました。
器は平沢崇義さんの灰釉五寸深皿。
ざらりとした粒感のある肌に、きくらげのすべすべとした質感がよく合います。
この、器を重ねて焼いた〝目跡〟が好きです。
作家の息遣いや遊び心を感じられるからです。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星10

肥後グリーンのサラダ

毎年必ず食べる「肥後グリーン」。
熊本のブランドメロンです。翡翠色の果肉が美しい青肉系で、とろけるような食感と高い糖度が特徴です。
もちろんそのままで十分おいしいのですが、今日はサラダにします。
まずはメロンの果肉をくりぬき器でくり抜きます。
皮に残った果汁も捨てずに、果肉と一緒にボウルに移しておきます。それからきゅうりをピーラーで薄くスライスします。
下準備はこれで終わり。
器にきゅうりを敷いてメロンとモッツァレラチーズを盛ります。
塩をふり、オリーブオイルとメロンの果汁、レモン汁を回しかけて完成です。
器は阿蘇の陶芸家、「滝室窯」石田裕哉さんの瑠璃釉陽刻雲型皿です。
ろくろで形作った生地を型にのせて凹凸を写す「ろくろ型」という手法を採用されていて、装飾をしみじみと眺める楽しさもあります。
瑠璃釉陽刻雲型皿は、深い瑠璃色にヒゴタイのような文様。
薄くて軽いのに強さもあり、日常で使いやすい器の一つです。
余談ですが、肥後グリーンのシールに記された「甘サ一番」というキャッチフレーズがなんだか可愛くて好きです。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星09

わらびのナムル

すっかり春です。
この時期に阿蘇を散策すると、山菜の自生スポットを見つけることも。
まさに〝芽吹きの季節〟だなぁと思います。熊本市内の直売所にも山菜が並んでいます。
今回はわらびを調理します。わらびは山菜の中でもアクが強く、下処理が必要です。
こう書くと面倒そうと思われがちですが、下処理はとても簡単。
重曹を使います。大きめのバットに洗ったわらびを並べて、重曹を振りかけます。それから、熱湯を注ぎ、ひと晩置く。
これだけです。湯1リットルに対して、重曹は小さじ1。
わらびの量に応じて調整してください。
翌朝、バットの中はこんなことになっています。どす黒く見える液体は、実は鮮やかなエメラルドグリーン。
このまま捨てるのはもったいなく感じます。
でも、捨てます。
アク抜きしたわらびはよく洗って、おこわや煮物、お浸しに。
写真は醤油味のナムルです。
仕上げに粉末のえごまを散らすと味にコクが出ます。器は阿蘇で作陶されている「滝室窯」石田裕哉さんのもの。
潔いシンプルなデザインの白磁十角鉢です。

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星

花わさびとしらすのスパゲティ

熊本市内の直売所に、菊池産の花わさびが並んでいました。
球磨郡水上村では購入したことがあるけれど、熊本市内でも手に入るなんて!

小さくて真っ白なわさびの花。
調理をするのがもったいないくらい可愛くて、つい見とれてしまいます。

葉をかじってみると、ツンとした香り。
天ぷらにするか、お浸しにするか…。
悩んだ結果、半量はしょうゆ漬け、残りはスパゲティにすることにしました。

茎と葉は刻んで塩で揉み、辛みを引き出し、汁気を搾ってから使います。
花は食べやすい大きさにしてトッピング用に。

花わさびの茎と葉、しらすを具にしたオイルスパゲティです。
わさび特有の辛みと爽やかな香りが大人の味。
仕上げに散らした花はふわふわとしていて食感のアクセントになります。

器は熊本市の陶芸家・平沢崇義さんの灰釉粉引六寸輪花皿。
どっしりと落ち着いた雰囲気がありながら、やわらかさも感じる大好きな一枚です。

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5ツ星探索隊

くまもと5ツ星プロジェクトが企画するイベントのこと、KAB番組でご紹介した気になるお店や、料理人、食材など、熊本のおいしい星について特別にお知らせしたいことを発信します。

三星が見つけた☆くまもと5ツ星07

不知火とにんじんのラペ

「不知火」と書いて「しらぬい」。
美しい品種名だなぁと思います。

12月頃から店頭に並ぶ不知火ですが、それはハウス栽培されたもの。
露地ものは春先から出荷が始まり、5月頃まで出回ります。
全国的に知られるブランドフルーツ「デコポン」は、不知火のうち糖度と酸度の基準をクリアしたもの。
デコポンと同じくらいおいしいのに価格が手頃な不知火は、スイーツや料理に気軽に使うことができます。
今日はフランスの家庭料理・キャロットラペを作ってみました。

まず、にんじんはしりしり器などで細切りにします。
しりしり器がなければ、包丁で千切りに。

切ったにんじんは軽く塩でもみ、しんなりさせておきます。

不知火は実を薄皮から取り出し、食べやすい大きさにします。
果肉がやわらかくて手でむくのは難しいので、包丁やナイフでカットするのがおすすめです。
薄皮に果肉が残ってしまったら、ぎゅっと搾って果汁まで余すことなく使います。

果汁を小さなボウルなどに分け、蜂蜜、エクストラバージンオリーブオイル、白ワインビネガー、粒マスタードと合わせてソースを作ります。

そのソースで、塩もみしておいたにんじんと、不知火の果肉を和えればでき上がり。

今回は不知火1玉に対して、にんじん1本、塩ひとつまみ、蜂蜜とエクストラバージンオリーブオイル、白ワインビネガーを各大さじ1/2、粒マスタード小さじ1/4で作りました。

不知火の甘さをみて、調味料の味を微調整してください。

盛り付けたのは、「小代焼 ふもと窯」井上尚之さんの5寸皿。
リムに象嵌が施されていて、仕上げに散らしたエディブルフラワーにも負けない愛らしさを感じる器です。

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三星舞

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三星が見つけた☆くまもと5ツ星06

白エビのガーリックソテー

スーパーの魚売り場の片隅に、ちょこんと置かれた天草産の白えび(芝えび)を発見。
秋に並んでいた時はとても小さかったけれど、いつの間にか体長10cmほどまで大きくなっていました。
関東では高級品の生白えびも、地元ならこの量で193円です。

体が小さな時期はかき揚げがおいしいけれど、今日の白えびは大きめなのでソテーにします。
長くて立派はヒゲは食べる時にちょっと邪魔なので、もったいないけれど(そして面倒だけれど)キッチンバサミでチョキチョキ。

フライパンに薄切りしたにんにくとオリーブオイルを熱し、にんにくの香りがし始めたら白えびを入れます。
火が入るごとに体がゆっくりと赤みを帯びてきます。

じっくりとソテーして、このくらいの赤色になったら塩をぱらり。
今日は藻塩を使いました。

皿に盛り、刻んだパセリを散らしたらでき上がり。
白えびのガーリックソテーです。
殻ごとパリパリと食べられます。

皿は天草の陶芸家・江浦久志さんが作られたものです。
江浦さんが一枚ずつ手描きする藍色の文様はどことなく南蛮の香りがして、料理もエキゾチックな雰囲気に。
天草陶石の凛とした白さに、えびの赤色がよく映えます。

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パール柑と鯛、ラディッシュのマリネ

熊本のブランド柑橘・パール柑。
文旦の一種で、三角・天草地方で主に栽培されています。

皮が厚くて硬く、むくのがちょっと大変。
それでも中においしい実が詰まっているのを知っているので、せっせと頑張っちゃいます。
皮をむき始めた途端に部屋中に広がるさわやかな香りも、頑張ったご褒美のようです。

果肉はプリッとした食感で、果汁は甘酸っぱく、後味はすっきりしています。
そのまま食べるのもおいしいのですが、甘すぎず酸味があるので、野菜や白身魚とも相性ぴったり。
皮をむいたパール柑とごく薄くスライスしたラディッシュをボウルに入れて…。

そぎ切りした鯛もプラス。
それから、塩とエキストラバージンオイルを加えてマリネします。

冷蔵庫で1時間ほど置き、調味料とパール柑の果汁がなじんだらでき上がり。
名付けて「パール柑と鯛、ラディッシュのマリネ」です。
鯛は天草で養殖されている「みやび鯛」を使いました。
仕上げにディルを散らすと見た目も味もお店っぽくなります。

器は八代の陶芸家・水谷和音さんの鎬輪花リム皿(5寸)。
天草陶石で作る磁器の器ですが、どこかやわらかな印象もあって、個人的にとても好きな一枚です。
和食はもちろん洋食を盛りつけてもしっくりきます。

この記事を書いたひと

三星舞

雑誌「九州の食卓」副編集長を経て、フリーのエディター・ライターに。食に関する取材が得意で、料理と器も好き。九州中を駆け巡って各地のおいしいものを味わってきた経験を生かし、フードコーディネーターとしても活動中です。

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