料理人が斬る! 熊本の逸品食材04

熊本の、畑の力こぶ

幾分過ごしやすい季節になってきましたが、熊本市内近郊では相変わらず生産物が少ないです。
雨に台風・・・この異常気象と言う言葉は畑を回るまでは他所事でしたが、雨は降らずとも曇天が多く、晴れ間が無いことには生産物も光合成のレベルが落ち、味や品質に影響を及ぼします。

そんな中でも元気一杯頑張っている生産物の話題でも!

今時分は胡瓜や木耳などのきのこ系などになりますが今回は新生姜です。県内で生姜の産地として有名なのは、やはり八代の東陽町でしょうか。

しか〜し! 今回ご紹介するのは、植木の新生姜です。

生産者の伊藤農園さんは、親子で一所懸命土作りからこだわっています。夏の間、クーラー等で冷え切った体を温めるのには生姜が一番!、と健康を意識した生産をしてます。

その名も『畑のちからこぶ』

いかにも、強くなりそうな名前です∩`・◇・)ハイッ!!

さていざハウスの中へどこの圃場へ伺っても交配用の蜂以外の虫が飛んでるものなんですが、生姜の圃場をみてビックリしたのが虫が居ない!
生姜って薬味なんだなと改めて思いました。

高さは2mにも育ちます。

勿論小さな蜘蛛などは居るんですが、コバエ系の俗に言う害虫が全く見当たらなかったのがビックリしました。

僕は板前として大事にしていることがいくつかあるのですが、大切な事のひとつで自分の口に入らないものはお客様に出さないと決めていることがありまして、今回目に留まったのが生姜の葉。

収穫後切って不要な部分は畑の養分になるため放置されてました。

それで何か作れないかな?と思い噛んでみました。

どんな味がしたと思います?

勿論、生姜の香りが強いんですが、もうひとつどうしても邪魔する香りがあるんです(笑)
それは僕と直にお会いした時の話の種として書きませんが(謎)何の香りがするのか気になる方は、僕の顔を見たら聞いてください。

捨てる生姜の葉っぱも1束頂いてお風呂に入れてみました。
熊本弁で言うスースースーで新たな可能性も・・・

っと横道にそれてしまいましたが、土からちょこっと顔出す生姜発見!

丸ごと取れるように丁寧に掘り出し、

茎の部分をカットし、洗浄後出荷されます。収穫後は綺麗な道が出来てます。
ほのかな生姜の葉っぱの香りに包まれる圃場です♪

しかし、折角圃場まで着たのだからと茎ごと戴いて帰る事にします。畑に立つ板前さんをアピールする為に玄関に数日飾ろうかと思います。

しかも土つけて♪

虫の来ない生姜を玄関に置いておくと邪も寄せ付けないと思い(´-o-`)ボソッ
持ち帰った新ショウガはまずは玄関へ飾り、残りは仕込みます。

どれが親生姜(いわゆる種になる生姜です)かわかりますか?

芋と一緒で親生姜から子供が増えていき、親から離れるほど辛味が弱くなります。
スーパー等で買っちゃうと混ぜこぜなんで辛味をチョイス出来ませんが、生産者直通だとどこが辛くてどこがまろやかって選べますね♪

冬へ向かってだんだん寒くなっていく熊本。
冷房で冷え切った体を生姜を食べて体の中から温めて健康に過ごし食欲の秋に備えましょうね∩`・◇・)ハイッ!!

この記事を書いたひと

奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

https://www.e-okumura.net/
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