シマノタネ通信from天草03

めざせ! 赤飯名人!

ふと、食べたくなるものがあります。

 

ほんのり塩っ気がきいていて
ほっくりとした小豆の食感がたまらなく、
噛めば噛むほど甘みが出てくるもの。

 

そう、「赤飯」です。

 

 

古くから、お祝い事には欠かせない「赤飯」。

そういえば、昔の結婚式には持ち帰り用の赤飯っていうのも
定番でしたよね?・・・よね!?(天草だけかな)
基本の赤飯は、“もち米に小豆やササゲを加えて蒸したもの”
らしいのですが、わが家では

 

もち米と小豆

 

白米と赤米

 

玄米と小豆

 

ほかにも、
白米と黒米、白米と黒米と金時豆、もち米と小豆と栗などと
組み合わせや炊き方を変え、その日の気分で
バリエーションを楽しんでいます。

こんな風に赤飯頻度が高めのわが家ですが、

実は、どれだけ数を重ねても、
及ばない赤飯というのがあるのです。

 

それが、御年92歳のハナさんがつくるお赤飯

かつて旅館の女将をしており、
お惣菜屋さんも切り盛りしていた
ハナさんがつくるお赤飯は、
上からごま塩をぱらぱら、というスタイルではなく、
ごはんそのものにしっかりと塩味をきかせたもの。

冷めておいしく、おかずがなくても満足できる。
そんな、一品。

 

お店を閉じてしまっておられる以上、
誰にもこれを体感いただくことができないのが残念ですが、
私の中では一番おいしいと思うお赤飯です。

 

蒸した後に全体に塩を混ぜ込んでいるのか?

あるいは、塩を加えた状態で炊いているのか?

思いつくものをあれこれ試すのですが、何度やってみても
あの絶妙な塩味とほっくりとした小豆の食感が再現できないのです。

どうしてもあの赤飯を食べたくて、
先日、ついに、ハナさんに教えを請いました。

「米ばあろうてつけとってな、蒸し釜にいるっとさな。
小豆は、米と別に炊くと。一晩水につけとって
鍋で炊いてやぶろー(柔らかく)なったら、米に混ぜてよか。
塩は蒸すときに、米にまずっとばな」

ということで、まとめてみました(笑)

<材料>
もち米 適宜
小豆 適宜
塩 適宜

<つくりかた>
1. もち米と小豆を洗い、それぞれ一晩、水につけておく。
2. ❶の小豆を鍋に入れ、火をひれる。小豆が柔らかくなったら、火を止めて水気を切る。
3. ❶のもち米の水気を切り、❷の小豆と塩を加えてまんべんなく混ぜる。
4.❸を蒸し器に入れて蒸す。

おそらく、こんなところでしょう。

もち米を蒸す前に塩を混ぜ込むとは!

この方法だと、全体にまんべんなく塩味がつき
しかも、小豆もほっくりやわらかくなるのですね。

もしかしたら、常識なのかもしれませんが(苦笑)
私にとっては目からウロコ!

水加減や塩梅などはまだまだ模索が必要ですが、
赤飯名人に一歩近づいた気がします。

ちなみに。

ハナさんがご主人とともに切り盛りしていた旅館「高砂屋」は、
数年前にのれんを下ろしてしまっていますが、
明治時代に「五足の靴」一行が泊まった宿としても知られます。

 

 

白秋とともに泊まりし天草の

大江の宿は伴天連の宿

 

意味もわからず、この碑の周りで走り回った
子どもの頃が、懐かしいです。

「五足の靴」にご興味のある方は
「大江教会」や「大江八幡宮」への参拝ついでに
この碑を探してみてくださいね。

 

この記事を書いたひと

木下 真弓

天草育ち、熊本市在住、エディター&ライター、3児の母、ソルトコーディネーター、食の6次産業化プロデューサー。ふるさと愛が高じて、天草の島々にあるちいさなタネ(衣食住のくらしにまつわる魅力や、歴史・文化の糸口)を見つける・育む・つなぐことをコンセプトに「シマノタネ」を起業。

http://www.shimanotane.jp
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