野菜王国くまもとすむーじぃ25

おなかスッキリ!? 夏バテ予防には、夏野菜のスムージー

1年で最も日が長い時期。梅雨の真っただ中ですが、梅雨の晴れ間の日差しはもう夏そのものですね。雨が続くと体がだるくなりがちですが、出始めた「夏野菜=カリウムをたっぷり含む野菜」をしっかりとって元気に過ごしたいものです。

食物繊維、カリウムも豊富なとうもろこしをつかったスムージー、便秘の予防や改善にチカラを発揮してくれる一杯をご紹介します。


とうもろこし+サラダ玉ねぎ+牛乳のスムージー

材料(出来上がり約200ml)
とうもろこし(実をとりだす)  正味100g(大1/2本分)
サラダ玉ねぎ          30g(うすぎり)
牛乳              1/2 カップ

作り方

1)とうもろこしは、ナイフで実ととりだす。(とれたては是非生で!レンジで加熱するときは薄皮をつけたまま、600W で60秒くらい)

2)ミキサーに(1)のとうもろこし、薄切りにしたサラダ玉ねぎ、牛乳を入れてふたをしてなめらかになるまで、攪拌する。

Recipeのポイント
むくみや高血圧予防にはたらくカリウムが豊富な組み合わせです。また、玉ねぎの硫化アリルがとうもろこしの胚芽に含まれるビタミンB1の吸収を促進して疲労や不眠、夏バテの解消に。牛乳のビタミンB2が代謝アップ、とうもろこしと牛乳のカルシウムで骨も丈夫に!


<とうもろこしのこと>
ひげの数と同じ実が詰まっているといわれる「とうもろこし」。ひと粒、ひと粒の表皮にはセルロースという食物繊維が含まれています。セルロースは体内で水分を吸収してふくらみ、腸管を刺激して便通を促したり、体には不要な物質を吸着して体外に排泄するはたらきを持っています。

タンパク質や糖質を多く含み、野菜でありながら多くの国で主食としても食べられていることも特徴のひとつです。旬を迎える夏にかぶりつきたい夏野菜です。

粒が黄色一色のモノカラー、黄色と白の二色のバイカラー、ホワイト、3色、紫色などがあり、様々な品種が開発・栽培されています。今回のレシピに使用したのはホワイト種の「雪の妖精」というもの。きいろのとうもろこしでつくるとレモンイエローのスムージーに仕上がります。

 

「雪の妖精」はじめ数種のとうもろこしを栽培されている生産者さんを訪ねて…
熊本市内から高速を走ること約1時間半…海岸線を時折眺めながら目指したのは芦北町女島。Kama farm 釜博信さん。不知火海からの潮風に恵まれ温暖な気候のこの地で特産の柑橘栽培農家の4代目の釜さん。ご自身の代になってからこの気候を生かしてサラダ玉ねぎ「サラ玉ちゃん」の栽培を主に行う生産者さんです。

そんな釜さんが昨年からとうもろこしを栽培されている…しかもホワイト種!と聞きつけ、訪問しました。
圃場からすぐのところにある堤防を越えるとそこは海!不知火海からの潮風が自然のミネラル分を運んできて、除草剤は不使用、農薬・化学肥料をできるだけ低減した特別栽培でサラダ玉ねぎを栽培する熊本県認定エコファーマーでくまもとグリーン農業生産者です。

昨年からサラ玉ちゃんの裏作として緑肥も兼ねてとうもろこしの栽培を始められたそうです。1.2ヘクタールの面積で、「雪の妖精」→「プラチナホワイト」→「ピュアホワイト」の品種をリレー栽培。サラダ玉ねぎがユリ科なのに対し、とうもろこしはイネ科で、玉ねぎの連作障害の軽減につながっているとおっしゃいます。

夏場の旬野菜で、鮮度によって甘みの低下が著しいので収穫→出荷→生活者に届くまで、スピードが求められます。収穫は早朝5時半から2時間半。作業場に戻り箱詰めして11時には保冷車に乗せて出荷完了するそうです。

90日で収穫できる作物ですが、温暖な平坦地なので中山間部に比べて5日程早い生育スピードでもあるそうで、栽培をきちんと設計し、3か月頑張ると出来る!このような規模で可能性大な作物だと…。「緑肥の代わりになると思って始めたけどとうもろこしの魅力にはまってしまった!」と笑顔で話される釜さん。「県の“農業経営塾”に出会っていなかったら普通に柑橘農家の4代目だったかも」とも。とうもろこしの横では、間もなく収穫され「恋するマロン」という名のかぼちゃが育っていました。サラダ玉ちゃんもJAあしきた管内では最大規模で栽培され、その味も抜群です!

釜さんの経営されるワクワク農業で栽培品目とその可能性が広がっていきそうな予感を覚えつつ圃場を後にしました。

※今回の取材は、6月中に行ったもので、7月4日の熊本県南豪雨によって、釜さんの圃場は甚大な被害を受けられました。とうもろこしの畑も被害に遭われたと連絡を受けました。心よりお見舞い申し上げます。

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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