三星が見つけた☆くまもと5ツ星02

新ショウガとミョウガの梅酢漬け

直売所で農産物を買うときは、生産者の名前を確認するようにしています。

「この方の野菜は初めて食べるな」
「昨年もこの方が育てた桃を買ったなあ」

そんなことを考えながら食材を選ぶと、なんだかちょっと楽しくなるからです。
中でも、目にすると必ず手に取るのが、森田良光さんのショウガ。

森田さんは宇城市のベテラン有機農家。
「無農薬では育たない」と言われてきたショウガの有機栽培を、今から約40年前に成功させたスゴい人です。
森田さんのショウガにはファンが多く、私もその一人。

香りが強く、辛みはすっきりとしていて、えぐみを感じません。
これは私の主観ですが、見た目もプリッとしていて元気そうじゃないですか?
9~10月に森田さんの新ショウガが出荷されたら、梅酢漬けを仕込みます。
作り方は、新ショウガを皮ごと千切りにして、熱湯でさっとゆでて、梅酢に漬けるだけ。
私は毎年白梅干しとシソ梅干しを作っているので、梅酢はそのいずれかを使います。
白梅酢を使う時は、千切りにしたミョウガを加えるのがポイントです。

こんな感じで新ショウガとミョウガをボウルいっぱい刻んで…。

熱湯でさっとゆでたら、清潔なガラス瓶に詰めて…。

白梅酢をひたひたになるまで注ぎます。
私は完熟の梅を漬けるので、白梅酢もほんのりピンク色に上がってきます。

でも、この白梅酢だけだとショウガがほとんど色づかないので、ミョウガの色素に助けてもらうというわけです。
こうして仕込んだ新ショウガの梅酢漬けは薄桃色にでき上がり、料理にさりげない彩りをプラスしてくれます。

この日は上海風焼きそばに添えてみました。
器は「小代焼 ふもと窯」井上尚之さんのもの。

藁灰などの自然の釉薬を用いて薪で焼く器と、森田さんが40年以上かけて土と向き合って育てた新ショウガ。
通じるものがある気がして、食卓で組み合わせてみました。

この記事を書いたひと

三星舞

雑誌「九州の食卓」副編集長を経て、フリーのエディター・ライターに。食に関する取材が得意で、料理と器も好き。九州中を駆け巡って各地のおいしいものを味わってきた経験を生かし、フードコーディネーターとしても活動中です。

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