野菜王国くまもとすむーじぃ番外編

夢未来みかん「夢の恵」を、ごはんに合わせていただく一品

有明海の潮風と温かい日差しをいっぱい浴びて育った熊本自慢のみかん「夢の恵」。香り豊かな果汁をそのまま炊き込み、早春の訪れを感じさせてくれる伝統野菜「水前寺セリ」を合わせました。早春の香りを楽しんでいただけたら幸いです。

<みかんとセリのごはん>
みかんの果汁を炊き込み。炊き上がる直前に刻んだ果皮を混ぜて蒸らし、器に盛る直前にセリを混ぜます。干しえびが良いだしになり、ほんのりした甘みのみかん色ごはんです。今回は、熊本市農産物フェア2020「くまもと収穫祭」で販売中の夢未来みかん「夢の恵」でつくりました。

材料2人分
米    1合
みかん  1個(果汁は絞り、果皮は刻む)
水とみかん果汁(1個分(今回は50ml)果汁・調味料合わせて加えて炊飯器目盛りの1合まで
白だし   大さじ1
赤酒    大さじ1
干しえび   大さじ1(粗く刻む)
セリ    適量(2cmに刻む)(三つ葉でも可)

作り方
1)みかんは果汁を絞り、1/2個分の皮はサッと熱湯に通し、白い部分を除き、千切りにしておく。
2) 米を洗って、炊飯器内がまに入れ、1の果汁、白だし、赤酒を加えて、1合の目盛りまで水を加えて軽く混ぜ、干しえびも加えて普通に炊く。
3)炊き上がったら、1)の果皮を加えて軽く混ぜ、蒸らす。
4) 器に盛る直前にセリを混ぜ込む。

これは、みかんの皮の内側にある白い部分をとりのぞいたところです。

おすすめポイント
えっ、みかんをごはんに?と意外な組み合わせに感じられるかもしれませんが、みかんのほんのり甘みとセリの香りで食欲進みます。
赤酒は、古来の日本の「灰持酒」の製法で作り出される熊本の伝統酒。弱アルカリ性の赤酒はたんぱく質(干しえび)から、ふっくら柔らかくだしを引き出し、ごはんを艶やかに仕上げてくれます。

赤酒ドットコム
http://www.akazake.com


伝統野菜 水前寺セリのこと
セリ(芹)は白根草(シロネグサ)ともいわれるセリ科セリ属の多年草。日本全国の水田や土手、水辺の浅瀬等の湿地に自生しています。セリの摘み歌が「万葉集」にも二首載っているように、多くの和歌、俳句に詠まれている馴染みの深い山野菜(やまやさい)。春の七草の筆頭に挙げられるセリ…一か所に「競り合って」密生するところや「迫りあって」生えることから「セリ・競り」と名付けられたといわれています。「競り勝つ」とかけて縁起物野菜として、春の七草(セリ・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざざ・すずな・すずしろ)のひとつに挙げられています。

豊かな湧水をたたえる江津湖の南西部に広がる江津地区は、阿蘇山麓からの伏流水がもたらす湧水が豊かなところとして知られています。近年、住宅が増えてきたものの外輪山を望む田園地帯を走ると緑のじゅうたんが! それがセリ田なのですが、水温が年間通して18度前後と一定しているキレイな地下水が美味しさを育むそうです。11月から4月頃にかけて栽培・出荷されています。

βカロテンが豊富で、ビタミンB2・Cも含み、抗酸化作用ある成分が多く風邪の予防や免疫力アップに。ビタミンKやカルシウムは骨粗しょう症予防に。鉄や葉酸も豊富で貧血予防や改善に。独特な香りの精油成分には保湿効果や発汗作用、健胃効果あり冷え性にも・・・。女性に嬉しい効能満載の早春の香り野菜です。

(圃場の写真は、生産者山田貴宏さん)

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

野菜王国くまもとすむーじぃ番外編

夢未来みかん「夢の恵」でつくった一品

熊本にはオレンジベルトと呼ばれる柑橘栽培が盛んな地域があります。

そのオレンジベルトの中でも有明海を望む、熊本市西部の河内町で栽培が始まったころを遡ると天明2年(1782年)頃とか…。遠くにには雲仙普賢岳を眺められる海岸線を走ると、石垣が巧妙に積まれた斜面にはみかん畑が広がります。春にはみかんの白い花で、秋にはみかん色に染まる景色は圧巻です。

2020年の年末に、河内町一帯を中心に生産されるJA熊本市のブランドみかん夢未来みかん「夢の恵」が箱いっぱい届きました~!

早速ぴっかぴかのみかんを使ってサラダを…。

使ったみかんは、こちらの「熊本市農産物フェア2020 くまもと収穫祭」で販売中です。

<みかんとべビーリーフのサラダ~生姜みかんドレッシング~>


玉ねぎの辛みをアクセントに、糖度高いみかんをジューシーなサラダに仕立てました。からだを温める作用があるみかんと生姜のドレッシング、果皮もトッピングして豊かな香りが楽しめる一品です。

材料2人分
みかん  3個
玉ねぎ  1/4 個
べビーリーフ 1袋(50g)

(生姜みかんドレッシング)
みかん  1個(果汁を絞る)
★オリーブオイル 大さじ1
★生姜すりおろし 大さじ1
★レモン汁(または酢)小さじ1

作り方
1 みかんはナイフで皮を剥いて6つ切りにカットする。1/2個分の皮はサッと熱湯に通し、白い部分を除き、千切りにしておく。ドレッシング用のみかんは果汁を絞る。
2 玉ねぎは薄くスライスして水にさらし水気を絞っておく。
3 ボウルに1で絞った果汁、★の材料を入れてよく混ぜて生姜みかんドレッシングをつくる。
4 洗って水気をきったべビーリーフ、1と2を合わせ、3のドレッシングをふってさっくり和える。
5 器に盛りつけ、みかんの皮を散らす。

おすすめポイント
果実はもちろん、皮や筋にも栄養がたっぷりなので、筋や薄皮がついたまま食べるのがおすすめ。果皮を乾燥させたものは「陳皮」といって、スパイスや血圧降下作用のある漢方薬としても利用されています。ここではひと手間かけてサラダのトッピングに…。

夢未来みかん「夢の恵」
最新型の糖度センサーを保有する選果システムを通って出荷される「夢未来みかん」。糖度12.5度以上のもの、色、大きさ、傷などが選別されて届けられるのだそうです。ほぼ年間を通して出荷されるJA熊本市の柑橘…、6月末の極早生グリーン、極早生、早生みかんのほか、今回届いた晩生の「青島温州」「尾崎温州」「今村温州」と品種リレーして2月頃までみかんが続き、デコポン、清見、河内晩柑などの柑橘に…。

「青島温州」って?
静岡市の青島平十氏によって発見されたことから「青島みかん」と名付けられたといわれています。味にコクがあり、サイズもほかの温州みかんよりひとまわり大きめ、果実が平たいのが特徴です。早生みかんより皮が少しごつごつ厚めですが、むきやすく食べやすい。味が濃く、糖度も高いので人気の品種です。

早生みかんと青島みかんをちょっと比べてみました!
・大きさ

左が早生みかん、右が青島みかん。青島みかんのほうが一回り大きいです。

・かたち

扁平形でぺったんこ。これが青島みかんの特徴です。

・果皮(肌)
早生みかんが薄く滑らかな肌に対して、青島みかんのちょっと分厚いゴツゴツした肌。実はこのしっかりした丈夫な果皮が青島みかんに大切。

・みかんの果肉をつつむ「フク」の厚み

この「フク」の厚みが青島みかんの濃い味を包んでいるようです。

「冬はこたつにみかん」という言葉もあるほど、一年で一番寒い時期にぴったりな日本の冬の代表的な果物。皮をむくだけで手軽にとれるみかんで、上手にビタミン補給し、寒い時期にも健やかに美しくお過ごしいただけたら幸いです。

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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