野菜王国くまもとすむーじぃ27

秋にむけて、からだを整えるスムージー

朝は幾分か凌ぎやすくなりましたが、日中は高温、熱帯夜が続く毎日…。夏バテを引きづっていたり、季節の変わり目に体調を崩しがちになっていませんか?

今が旬の果物「梨」には体のエネルギー代謝に関わる栄養素である、ビタミンB群やアミノ酸が豊富に含まれています。果糖やリンゴ酸、クエン酸もたっぷり!疲労回復にピッタリの梨をつかったスムージーのご紹介です。

+ブルーベリー+ヨーグルトのすむーじい

<材料 (出来上がり約200ml)>
梨     大玉1/4個(100g)
ブルーベリー 20粒
ヨーグルト  1/2カップ

<作り方>
1)梨は皮と芯をのぞいて、いちょう切りにしておく。
2)ミキサーにすべての材料を入れ、なめらかになるまで、20~30秒ほど攪拌する。

Recipeのポイント
梨とブルーベリーのほのかな甘さが楽しめます。汗で失われるカリウムを梨で補給、暑さで消費されるビタミンCをブルーベリーで補給して夏バテ(残暑バテ、ですかね)の予防とケアに。

<梨のこと>
ジューシーでさわやかな甘みが特徴、約90%が水分。カリウムを多く含むため、利尿作用があり、体のほてりを冷ます効果があります。甘みは糖アルコールの一種ソルビトールによるもので、腸の活動をサポートし、のどの炎症をしずめるはたらきがあります。また、果糖やクエン酸やアスパラギン酸を豊富に含み、疲労回復の作用が期待できます。独特の食感は石(せき)細胞(さいぼう)と呼ばれるリグニンやペントザンという食物繊維で美腸にも力を発揮します。

<ブルーベリーのこと>
βカロテンビタミンC、鉄、マンガン、亜鉛などのミネラル類、ビタミンEも豊富で成長期に、アンチエイジングに。皮ごと食べるので、食物繊維も多く摂取でき、腸もキレイに!青紫色の色素アントシアニンは、優れた抗酸化作用で注目されるポリフェノール系の成分。目の疲労を回復して視力低下を防ぐ作用があります。

<ヨーグルトのこと>
乳酸菌が腸内の善玉菌を増やし、免疫機能を高めます。牛乳でおなかがごろごろする人でもヨーグルトなら安心です。

 

熊本県での梨栽培の歴史
県下各地で栽培される梨ですが、その中でも主産地は、荒尾、竜北、球磨が一大産地…。熊本の梨の発祥の地といわれるのは、現在の氷川町、大野地区。明治38年(1905年)に山田熊三郎氏が定植したのがその始まり。続いて、現在の荒尾市に明治41年(1908年)に松尾茂三郎氏と関島増男氏が、そして大正元年(1912年)に球磨村一勝地に毎床協造氏が定植したといわれます。いずれの地域も一丸となっても手を携え、土地に合った品種や生産技術の向上に努め、一世紀を経た今、それぞれの地域ブランドとして歩み続けておられます。

令和2年7月豪雨災害の被災地より
そんな主産地のひとつ球磨村を7月の豪雨が襲いました。百年を経て栽培される原木はじめ梨園が広がる毎床地区は、球磨川から離れて家屋の被害は少なかったけれど、断水と停電は続いたそうです。道路は寸断され、選果場も水に浸かったものの、原木はじめ木々は難を逃れて瑞々しい梨がたわわに実っている、出荷に必須な道路は地域力で修復させ、収穫時期が来ていた梨の出荷がスタートしたとニュースで報じられました。梨農家15軒でつくる一勝地果実協同組合の販売部長、毎床智和さんの梨園より「豊水」を送っていただき、メールで取材させていただきました。

曾祖父さまから数えて4代目の智和さん。以前実家によく届いていた原木の「二十世紀」梨は現在、市場との契約で個人ではいただけない幻の梨…。肌が命の青梨なので、綺麗な色を残すためとサビがつかないように、幼果期、しかも満開後30日以内に、白い小袋を被せ、そのあと大袋を被せて丹精込めて育てられ、百年を越えて大切に守り継いでおられるのだと…。以前,果樹研究所で「品種によって、かける袋の種類(一重や二重、色)、糖度も変わる」と伺ったことも思い出しました。

まいとこ農園では、100年にわたり作り上げてこられた土壌にさらに自家製有機肥料を施し、微生物とミネラル豊富な土壌環境で、幸水→二十世紀→秋麗→豊水→あきづき→かおり・甘太→新高→新興→王秋をなんと11月上旬まで、多種多様な品種をリレーしながら栽培出荷なさっています。

「美味しい梨を出荷することで球磨村の元気を発信!」とおっしゃる地域を担う若手生産者のホープ智和さん。来シーズンはコロナ禍から脱して、元気な梨園にお邪魔したいと念じています。被災地を食べて応援!梨のチカラで夏の疲れを癒されませんか。


①黄色い袋掛けのほうが100年を越えて守り継がれている「二十世紀」


②梨園の様子(写真提供 2点とも毎床智和さん)

お問い合わせ:
一勝地果実協同組合 TEL0966-32-6402 FAX0966-32-1128
facebook「まいとこ梨園」

 

 

また、今回使用したヨーグルトは「球磨の恵み」。人吉球磨地方は酪農も盛んです。この度の災害で多くの酪農家が被災されたと伺います。このヨーグルトは、酪農家が愛情込めて育てられた乳牛より搾られた新鮮でおいしい生乳を豊富に使用し、生乳本来の風味を生かし、とろ~りともっちり感のある独特の食感が魅力的。酸味が少なく、ほのかな甘みも特徴のひとつで。地元の学校給食、県内スーパーはもとより東京のアンテナショップでも人気の商品です。

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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