野菜王国くまもとすむーじぃ29

旬の健康フルーツ柿でカラダの冬支度を

銀杏も色づき始め、日ごとに秋が深まってきました。山都町や阿蘇ではそろそろ霜が降り始める頃。気温や湿度の変化が激しくなり、ついつい体調を崩しがち…。ビタミンCをたっぷりとってウイルスを撃退、体の冬支度をしておきたいものです。

今月は熊本が日本一の生産量を誇る果物のひとつ、太秋柿をつかったレシピのご紹介です。

材料出来上がり 300ml
太秋柿   1/2個
りんご      1/4個
バナナ   1/2本
ヨーグルト 大さじ3
水     少々

作り方
1)柿とりんごは皮をむいてヘタと種をのぞき、うすぎりにする。
2)バナナは皮をむいて一口大にちぎる。
3)ミキサーにすべての材料をいれてなめらかになるまで回す(回りにくかったら水を少々加える)。

おすすめポイント
柿には肝臓を丈夫にするアミノ酸が含まれていて、カロテンやビタミンCも豊富な旬の健康フルーツ。リンゴやバナナ、ヨーグルトと組み合わせたこのレシピは腸内環境を整えて腸スッキリ!です。


<太秋柿のこと>
カキの「品種」太秋は、「富有」をベースに「次郎」と「興津15号」を掛け合わせてできた品種を各かけ合わせて生まれた大型の完全甘柿品種です。1994年8月に品種登録されています。
果実の大きさは380g前後と大玉で、中には500gを超えるものもあるとか。果肉が梨のようにサクサクして柔らかく果汁が多く、種は少なめ、糖度も高い品種です。果頂部に円を描くように細かいひび割れのような筋が入りやすい特徴も持っています。この筋は「条紋(じょうもん)」と呼ばれ、見た目は悪いのですが。この条紋が入った部分は周りより糖度が上がったためにできるといわれます。選ぶ時の目安に!

栄養・機能性
昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、柿はビタミン・ミネラルが豊富です。
・ビタミンCは100g (約1/2 個あたり)70 ㎎
・抗酸化作用が高いβカロテンやβクリプトキサンチンも豊富
・体内の余計な塩分を排出してむくみを防ぐカリウムが豊富
・渋味成分タンニンにはアルコール分解作用があり二日酔い解消に効果的です。

太秋が大玉になる訳は…
熊本県果樹研究所で話を伺いました。大玉づくりの基準として、摘蕾(てきらい)→摘果→摘花、葉25~30枚に対して1果が目標のひとつとか。高い木で作業するのは危険も伴い、効率も悪いため、樹高を低くする棚栽培が導入され、約2mのところに鉄パイプを格子状に張って棚を設置、枝を誘引して低い樹が作り上げられていました。この棚栽培の導入の結果、作業の省力化はもちろん、色付きの良い大玉の果実が収穫できるようになってきたのだそうです。熊本に栽培導入して約20年、県も産地も様々な研鑽と努力を重ね、品質・食味共に主力品種として成長してきているとのことでした。


<熊本にもりんご園があります>
今回の準主役であるりんごですが、熊本にもりんご園があるので情報としてご紹介します。

熊本市 吉次園
阿蘇市【果実の国】カップルズ
南小国町 林檎の木

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

野菜王国くまもとすむーじぃ27

秋にむけて、からだを整えるスムージー

朝は幾分か凌ぎやすくなりましたが、日中は高温、熱帯夜が続く毎日…。夏バテを引きづっていたり、季節の変わり目に体調を崩しがちになっていませんか?

今が旬の果物「梨」には体のエネルギー代謝に関わる栄養素である、ビタミンB群やアミノ酸が豊富に含まれています。果糖やリンゴ酸、クエン酸もたっぷり!疲労回復にピッタリの梨をつかったスムージーのご紹介です。

+ブルーベリー+ヨーグルトのすむーじい

<材料 (出来上がり約200ml)>
梨     大玉1/4個(100g)
ブルーベリー 20粒
ヨーグルト  1/2カップ

<作り方>
1)梨は皮と芯をのぞいて、いちょう切りにしておく。
2)ミキサーにすべての材料を入れ、なめらかになるまで、20~30秒ほど攪拌する。

Recipeのポイント
梨とブルーベリーのほのかな甘さが楽しめます。汗で失われるカリウムを梨で補給、暑さで消費されるビタミンCをブルーベリーで補給して夏バテ(残暑バテ、ですかね)の予防とケアに。

<梨のこと>
ジューシーでさわやかな甘みが特徴、約90%が水分。カリウムを多く含むため、利尿作用があり、体のほてりを冷ます効果があります。甘みは糖アルコールの一種ソルビトールによるもので、腸の活動をサポートし、のどの炎症をしずめるはたらきがあります。また、果糖やクエン酸やアスパラギン酸を豊富に含み、疲労回復の作用が期待できます。独特の食感は石(せき)細胞(さいぼう)と呼ばれるリグニンやペントザンという食物繊維で美腸にも力を発揮します。

<ブルーベリーのこと>
βカロテンビタミンC、鉄、マンガン、亜鉛などのミネラル類、ビタミンEも豊富で成長期に、アンチエイジングに。皮ごと食べるので、食物繊維も多く摂取でき、腸もキレイに!青紫色の色素アントシアニンは、優れた抗酸化作用で注目されるポリフェノール系の成分。目の疲労を回復して視力低下を防ぐ作用があります。

<ヨーグルトのこと>
乳酸菌が腸内の善玉菌を増やし、免疫機能を高めます。牛乳でおなかがごろごろする人でもヨーグルトなら安心です。

 

熊本県での梨栽培の歴史
県下各地で栽培される梨ですが、その中でも主産地は、荒尾、竜北、球磨が一大産地…。熊本の梨の発祥の地といわれるのは、現在の氷川町、大野地区。明治38年(1905年)に山田熊三郎氏が定植したのがその始まり。続いて、現在の荒尾市に明治41年(1908年)に松尾茂三郎氏と関島増男氏が、そして大正元年(1912年)に球磨村一勝地に毎床協造氏が定植したといわれます。いずれの地域も一丸となっても手を携え、土地に合った品種や生産技術の向上に努め、一世紀を経た今、それぞれの地域ブランドとして歩み続けておられます。

令和2年7月豪雨災害の被災地より
そんな主産地のひとつ球磨村を7月の豪雨が襲いました。百年を経て栽培される原木はじめ梨園が広がる毎床地区は、球磨川から離れて家屋の被害は少なかったけれど、断水と停電は続いたそうです。道路は寸断され、選果場も水に浸かったものの、原木はじめ木々は難を逃れて瑞々しい梨がたわわに実っている、出荷に必須な道路は地域力で修復させ、収穫時期が来ていた梨の出荷がスタートしたとニュースで報じられました。梨農家15軒でつくる一勝地果実協同組合の販売部長、毎床智和さんの梨園より「豊水」を送っていただき、メールで取材させていただきました。

曾祖父さまから数えて4代目の智和さん。以前実家によく届いていた原木の「二十世紀」梨は現在、市場との契約で個人ではいただけない幻の梨…。肌が命の青梨なので、綺麗な色を残すためとサビがつかないように、幼果期、しかも満開後30日以内に、白い小袋を被せ、そのあと大袋を被せて丹精込めて育てられ、百年を越えて大切に守り継いでおられるのだと…。以前,果樹研究所で「品種によって、かける袋の種類(一重や二重、色)、糖度も変わる」と伺ったことも思い出しました。

まいとこ農園では、100年にわたり作り上げてこられた土壌にさらに自家製有機肥料を施し、微生物とミネラル豊富な土壌環境で、幸水→二十世紀→秋麗→豊水→あきづき→かおり・甘太→新高→新興→王秋をなんと11月上旬まで、多種多様な品種をリレーしながら栽培出荷なさっています。

「美味しい梨を出荷することで球磨村の元気を発信!」とおっしゃる地域を担う若手生産者のホープ智和さん。来シーズンはコロナ禍から脱して、元気な梨園にお邪魔したいと念じています。被災地を食べて応援!梨のチカラで夏の疲れを癒されませんか。


①黄色い袋掛けのほうが100年を越えて守り継がれている「二十世紀」


②梨園の様子(写真提供 2点とも毎床智和さん)

お問い合わせ:
一勝地果実協同組合 TEL0966-32-6402 FAX0966-32-1128
facebook「まいとこ梨園」

 

 

また、今回使用したヨーグルトは「球磨の恵み」。人吉球磨地方は酪農も盛んです。この度の災害で多くの酪農家が被災されたと伺います。このヨーグルトは、酪農家が愛情込めて育てられた乳牛より搾られた新鮮でおいしい生乳を豊富に使用し、生乳本来の風味を生かし、とろ~りともっちり感のある独特の食感が魅力的。酸味が少なく、ほのかな甘みも特徴のひとつで。地元の学校給食、県内スーパーはもとより東京のアンテナショップでも人気の商品です。

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

野菜王国くまもとすむーじぃ09

まるでルビー! 真っ赤ないちごでストレス緩和?!

春一番が吹いて、暖かい日差しが降り注ぐかと思うと、
寒の戻りがあったりと気候不順な季節の変わりめ
なんとなく体の不調を感じることがありませんか。
パワフル、エネルギッシュ、ポジテイブを意味し
気持ちを高揚させたり、食欲を増進させてくれる、赤い色。
いちごやにんじんの鮮やかな色からもパワーをもらい
豊富なビタミンCでストレスをやわらげてくれる
そんなスムージーのご紹介です。

★いちご+にんじん+ヨーグルトのスムージー★

材料<できあがり約250ml>
いちご       56
にんじん      1/4
ヨーグルト     100ml

作り方
1)にんじんは皮をむき、薄切りにしておく。
2)ミキサーにいちご、にんじん、ヨーグルトをいれてなめらかになるまで攪拌する。

Recipeのポイント
イチゴに豊富なビタミンCとヨーグルトのカルシウムがストレスを和らげ、にんじんのカロテンが免疫力をアップします。季節の変わり目で体調を崩しがちな頃ストレスや風邪の予防にもおススメです。


<いちごのこと>
原産地は?:
南アメリカ原産のものと北アメリカ原産のものがオランダで交配されてヨーロッパに広まったといわれています。かつて日本では野イチゴが食用とされていて、栽培が始まったのは明治時代。

品種は?:
昭和30年代に主力の「福羽」から「ダナー」に移行して以来約10年ごとに主力品種が変化していることに加え、最近は主産県ごとに新品種が育成されて品種数が増えています。ちなみに熊本県では「ひのしずく」や「ゆうべに」。

栄養は?:
ビタミンCが多い果物の中で、いちごはトップ10に入るほど豊富。ビタミンCは肌荒れやシミを防ぐほか、ストレスを和らげてくれます。また赤血球の生成や細胞の健全な成長に欠かせない葉酸が多いのもイチゴの特徴。貧血が気になる人は積極的に摂りたい果物です。

<にんじんのこと>
原産地と品種は?:
原産地はアフガニスタン。イラン・トルコを経てヨーロッパに伝わった西洋種とアジアに伝わった東洋種があり、日本には江戸時代に東洋種が、明治以降に西洋種が伝わったといわれています。長根種と短根種に分かれおおよそ、長根種が東洋系品種、短根種が西洋系品種です。

栄養は?:
鮮やかなオレンジ色がカロテンで、皮膚や粘膜を丈夫にして風邪や感染症を防ぐ他、強い抗酸化作用でガンや生活習慣病予防にも力を発揮します。

<ヨーグルトのこと>
乳酸菌が腸内の善玉菌を増やし、免疫機能を高めます。カルシウムの供給源に。

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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宝石のようなブルーベリー

宝石のようにキラキラ輝く藍色のブルーベリーが、たわわに実る季節を迎えています。
今回は、小さくて可愛らしいけれどたくさんのパワーをもつ「ブルーベリー」を使ったスムージーをご紹介します。

★ブルーベリー+巨峰+ヨーグルトのスムージー★

材料1人分 出来上がり約200ml

ブルーベリー30g
巨峰56
ヨーグルト100ml
牛乳50ml

 

作り方

01:すべての材料をミキサーに入れて、なめらかになるまで3040秒ほど回す。

 

[レシピのポイント]
目の疲れを回復させ、視力低下を防ぐ働きをすることで知られるアントシアニンはブルーベリーにはもちろん、巨峰にも多く含まれます。抗酸化作用があり、ヨーグルトのタンパク質を合わせて肌荒れ改善に期待できます。また、ブルーベリーも巨峰も皮ごとミキサーにかけるので、食物繊維もたっぷり摂ることができ、発酵食品であるヨーグルトと合わせて腸内環境を整えるのにおすすめの組み合わせです。

[ブルーベリーのこと]

原産地は?
北アメリカ。野生種のものはアメリカの先住民が食していたともいわれます。ツツジ科スノキ属落葉低木の植物です。

産地は?
熊本では、山都町はじめ阿蘇など標高500800mの高冷地を中心に栽培され、西日本有数の産地です。

栄養は?
βカロテン、ビタミンC・E、鉄、マンガン、亜鉛など、ビタミンやミネラルが豊富。なかでも果物の中では豊富なビタミンEは、血行をよくし、体の冷えや肩こりを防いだり、艶のある肌つくりに 働きかけてくれます。

クックパッドにレシピを公開しています。

 

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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