料理人が斬る! 熊本の逸品食材14

ぼんちゃん農園の法蓮草を斬る!

お昼はポカポカな日が続きだしましたね。
夏がそこまで来ています(笑)
巷では昨年から引き続き小さくて憎い奴のせいでイベント事も軒並みキャンセル…

そんな中でも熊本の生産物はスクスクと育ち季節を告げてくれていますよ。

今日はKAB熊本朝日放送、夕方の番組『くまパワ』でお馴染みのあの方のお話でも(´∀`*)ウフフ
お笑いコンビ『イタガキ』のぼんちゃん(^O^)/

御存じの方も多いと思います。大きい方ですよ~
実は数年前におく村へいらした際、帰り際に玄関口に植えているとある生産物をぼんちゃんに食べさせたんです(笑)
幻のあれなんですけどね。

その不味さ?苦さ?に衝撃を受けたぼんちゃんは次に会った時に口にした言葉は

『おら!農業者になるっっ!』(笑)

深い意味も浅い意味もあったんですが今回はそんなぼんちゃんが昨年より育ててきた法蓮草の初出荷!
実は昨年末に全部逝っちゃうって大事件もあったんですがやっとやっと念願の法蓮草!収穫!
早速共通の友人の方からイタガキました(笑)
初めての収穫とは思えない立派に育っている法蓮草を見てそのまま生でパクッ。

旨いっ!

率直に感じたことを書くと前評判の固い茎も感じる事なくさっと湯がいただけで美味しく食べれました。
法蓮草独特のえぐみも少々、香りが少し弱く感じる事はありましたがぼんちゃんの想いがしっかりと入った法蓮草でした。
熊本市内にあるぼんちゃんの友人知人のお店などに配られて各店舗で美味しそうな料理に変身している投稿を目にし、おく村でも何かできないか?と考え一番美味しい所を贅沢にお客様に提供しようって事で数品作ってみました。

無農薬で作った『ぼんちゃん農園』の法蓮草は土も付いて生き生きとしています。

緑が綺麗です。

予想以上に葉も厚くしっかりとした法蓮草です。
水で丁寧に洗い、茎の大きさや葉っぱの厚さなどで湯がく時間が変わる事と味の入りを均等にするため、新芽と小さ目、中目、大き目と分けていきます。

その際、輪ゴムなどで縛っていくと後の湯がきの作業が楽ですよ。

①新芽の部分を使い煮物椀の種に。
今回は主役が緑色なので黒よりも赤だなと輪島塗の朱塗りの網目椀に海老と蟹味噌の真蒸に玉子豆腐、丹波黒占地、蕨と花弁人参に木の芽をのせて御出汁の香りで上品に一品。

②茎と葉っぱは定番のお浸しに。
仕上げに糸がきで風味をプラス!準備が出来たら1束ずつ湯がいていきます。
この時、大きさを揃えていると均等に火が入り湯がきやすいですね。
湯がくことにより法蓮草の青みが増しています。そして柔らかくなっていきます。

鰹と昆布の出汁に薄口醤油で味を調えてお浸しにします。
最後に天盛で糸鰹をのせて出来上がりです。

鰹の香り合う~♬

今回はぼんちゃん農園序章でした。
ぼんちゃんはこれから様々な野菜を作り世の中に広めていきたいって野望があるみたいです。
最終形態のあの幻の生産物ができるその日を楽しみにしています♪
夏野菜は何行くのかなーたーのしみー

この記事を書いたひと

奧村 賢

京都の老舗割烹 熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店にて修行後、帰熊。自ら土の上に立ち、生産者や生産物と対話する事で得られるインスピレーションを元に献立を立てることを大切にしている。日本料理の伝統文化を守りつつ、新しい世界にも邁進し、現在は肥後野菜のひとつでもある水前寺のりの普及活動にも力を入れている。
2014年、KAB開局25周年記念の[元気フェスタ]にて、熊本県内の超こだわり食材を使い、タレントの上田アニとともにオリジナルの5ツ星弁当を制作。

[日本料理 おく村について]
明治3(1870)年魚屋町にて魚の仲買経営から小さな店[飯屋 おく村]としてはじまる。昭和2(1927)年料亭おく村となり、2020年で150周年の歴史を持つ。現在飯屋おく村から六代目。

https://www.e-okumura.net/
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