野菜王国くまもとすむーじぃ43

季節の変わり目に、からだをリフレッシュ!

旬のにんじんと柿に含まれている豊富なビタミンCとカロテンをたっぷり摂ってカラダをリフレッシュしましょう。

<材料 出来上がり約200ml>
にんじん   30g
太秋柿    1/2個
ヨーグルト  100ml

<作り方>
1)にんじんは皮ごといちょう切りにする。
2)柿は皮をむいて種を除き、一口大に切る。
3)ミキサーにすべての材料を入れて40秒ほど、なめらかになるまでまわす。

 

柿のこと
柿に含まれるビタミンCの量は果物の中でもトップクラスで、キウイやいちご並みです。コラーゲン生成を促し、肌の老化を防ぐとされ、体内でビタミンAにかわるβカロテンは皮膚や粘膜を正常な状態に整えて新陳代謝を活発にしてくれます。
タンニンには、抗酸化作用がありアンチエイジングに効果的。美腸に導く食物繊維も豊富で、美容と健康に嬉しい果物です。

太秋柿について
熊本県が栽培を推奨している「太秋柿」は、旧農林水産省果樹試験場安芸津支場において昭和52(1977)年に「富有」に「IIiG-16」(「次郎」×興津15号(「晩御所」×「花御所」))を交雑して育成された甘柿の品種です。平成元年より安芸津10号の系統名で第4回系統適応性検定試験に供試され、平成6(1994)年年8月11日付で「かき農林7号」として登録・公表されたもの。熊本県では、1995年より、現地適応試験を上益城、宇城、植木町で行い、徐々に試験導入されていったそうです。
大玉づくり(350g以上)の基準として、摘蕾(てきらい)→摘果→摘花、葉25~30枚に1果が目標のひとつとか。高い木で作業するのは危険も伴い、効率も悪いため、樹高を低くする棚栽培が導入され、約2mのところに鉄パイプを格子状に張って棚を設置、枝を誘引して低い樹が作り上げられていました。この棚栽培の導入の結果、作業の省力化はもちろん、色付きの良い大玉の果実が収穫できるようになってきたのだそうです。
栽培導入して約20年、県も産地も様々な研鑽と努力を重ね、品質・食味共に主力品種として成長してきている、と伺いました。(熊本県果樹研究所にて)

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

野菜王国くまもとすむーじぃ42

秋バテを乗り切るすむーじぃをご紹介

瞬く間に10月にはいりました。朝夕はずいぶん凌ぎやすくなったものの、日中は秋とは言い難い暑さが続いています。

「秋バテ」は、夏の疲れによる食欲不振や睡眠の質の低下によって現れる自律神経の乱れといわれています。夏の疲れがたまった体を秋の旬野菜と果物を摂って胃腸を元気に、自律神経のリズムを取り戻しましょう!

コリンキー(かぼちゃ)とリンゴのスムージー

◆材料(出来上がり 約180ml)
コリンキー(かぼちゃ)   80g
りんご           1/3個
豆乳            50ml

◆作り方
1)コリンキーを薄切りにする(普通のかぼちゃは、一口大に切り、レンジで約3分加熱する(竹串ですーっととおるくらい)
2)りんごは、皮をむき芯を除いて、一口大に切る。
3)ミキサーに、コリンキー(かぼちゃ)とりんご、豆乳をいれて、滑らかになるまで2分くらい回す。

緑黄色野菜のなかでもトップクラスの栄養価を誇るかぼちゃ。かぼちゃに含まれるカロテンとビタミンEが免疫力を高めて体調を整え、栄養豊富なりんごのほのかな甘ずっぱさのもとであるリンゴ酸とクエン酸が疲れを癒し、エネルギーを生み出す助けに。豆乳に含まれるビタミンB1が疲労回復につなげてくれる組み合わせです。

【かぼちゃのこと】
原産地と種類は?
アメリカ大陸から15世紀末にコロンブスによってヨーロッパに持ちこまれ、世界中に広がったといわれています。主にホクホクした西洋かぼちゃちとしっとりした日本かぼちゃ、ぺポかぼちゃがあります、。現在、主に出回っているのはホクホクして甘い西洋かぼちゃです。

栄養は?
カロテン、ビタミンC、ビタミンE、さらには機能性成分ルテインなど、かぼちゃは抗酸化力に優れた成分の宝庫です。しかもビタミンCはビタミンEと一緒にとることで相乗効果もあるといわれます。ビタミンEは血行をよくして肩こりや冷えを改善、豊富な食物繊維は血圧やコレステロール値の上昇を抑えて、便秘の予防にもチカラを発揮してくれます。

かぼちゃのいろいろ
・コリンキー(今回使用)…皮ごと生食できる黄色いかぼちゃ。スライスしてそのままサラダやピクルス、漬物などで楽しめます。
・黒皮栗…西洋種の主流で、甘くホクホクした粉質栗平」や「九重栗」などいろいろな品種があります。
・坊ちゃんかぼちゃ…西洋種の小型かぼちゃ。500g前後で食べきりサイズ。果肉は粉質。
・黒皮かぼちゃ…日本かぼちゃ。皮はごつごつして果肉はねっとり。和食の煮物に向いている。
・プッチーニ…黄褐色で、オレンジの縞模様があるミニかぼちゃ。甘みがあり粉質で、電子レンジ加熱にも向いている。詰め物などに…。
・バターナッツ…ひょうたん型で白い果皮が特徴。ねっとりした粘質系で甘みが強い。
・万次郎かぼちゃ…ラグビーボールのような形が特徴。甘みが強くホクホクしている。
・春日ぼうぶら…ひご野菜のひとつ。長さが30㎝を超えるヘチマのような外観とあっさり味と水分が多いのが特徴。汁物やスープ、お菓子にも向く。


【りんごのこと】
昔話や聖書に登場するなど、古くから世界中で愛され続ける果物。

栄養は?
「1日1個のりんごは医者いらず」といわれるほど、栄養たっぷり。水溶性食物繊維のペクチンが腸の動きを整えて便秘と下痢の両方を改善します。ペクチンには、コレステロールの吸収を抑えるはたらきもあり、生活習慣病予防にも役立ちます。カリウムが豊富で利尿作用があり、高血圧予防に役立ちます。

【豆乳のこと】
ポリフェノールの一種、イソフラボンが女性ほるもんのようなはたらきをし、骨粗しょう症の予防や更年期症状を緩和します。ビタミンEや鉄など女性に嬉しい成分が豊富です。

りんご生産者さんを訪ねてきました!
甘みと酸味がカラダを癒してくれる、秋の味覚「りんご」園にお邪魔してきました。
熊本市北区植木町で,30年以上も前、1989年から観光果樹園(現在は観光農園)を営まれている吉次園さんへ…。熊本市中心部から車で走ること約30分。
植木町のパイロット地区にある広大な園地では、創立時から栽培されるリンゴも現在は7品種!こちらでは、通常、果実全体に日光が当たるように行われる「葉つみ」を行なわず、「葉とらずりんご」の栽培をなさっています。色むらなどで多少の見劣りはするそうですが、葉っぱがつくる養分が果実に蓄えられるために甘みも酸味も深い味わいで、ジューシー。吉次園のりんごの美味しさのヒミツかここにあります!

8月~11月まで、品種をリレーしながら、樹上完熟で収穫直売所等での販売されています。伺った日は、本来9月下旬に楽しめる「秋映」という色の濃い品種がたわわに実っているはずの園地なのですが。9月に相次いで襲来した大型台風のために「苦渋の決断」をして少し早めに収穫されていました。

自然の脅威と向き合いながら長年果樹栽培に取り組んで来られた現社長のお母様前田博美さんのお話伺いながら、晩生の珍しい品種「名月」を見せていただきました。


吉次園で8月~11月まで楽しめる品種は、希ライフ→つがる→秋映え→シナノゴールド→陽光→名月→ふじ。吉次園の「りんご狩り」の情報はこちらから!

↓↓↓
フルーツ狩り いちご狩り・ぶどう狩り・りんご狩り・梨狩り・柿狩り・みかん狩りなど果物狩りなら熊本にある観光農園の吉次園 (kichijien.jp)

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

野菜王国くまもとすむーじぃ41

厳しかった夏の終わりに。気になるシミやそばかす対策にも。

できてしまったシミやソバカスを完全に消すことは難しいですが、薄くしたり、予防するには「ビタミンC」がチカラを発揮!「ビタミンC」をたっぷりチャージし、お肌を整え秋を迎えましょう。


パプリカ+晩柑+キウイのスムージー

材料 (出来上がり約200ml
パプリカ (黄)  1/4個
晩柑        1/2個
キウイフルーツ(ゴールド)1/2個

作り方
1)パプリカはヘタと種をのぞき一口大に切る。
2)晩柑は皮をむき。薄皮ごと一口大に切る。
3)キウイは皮をむき一口大に切る。
4)ミキサーにすべての材料を入れてなめらかになるまで撹拌する。

☆それぞれに豊富なビタミンCがメラニン色素の生成を抑え、パプリカ、キウイフルーツに含まれるビタミンEが紫外線によるダメージから肌を守ってくれます。

【パプリカのこと】
パプリカはピーマンの仲間ですがピーマン独特の苦みや青臭さはなく、ほのかな甘みと酸味が合ってとてもジューシー。カロテン。ビタミンCがいずれもピーマンより豊富で栄養価の高い野菜です。今回は黄色ですが、赤いパプリカはカロテンの一種であるかプサンチンを豊富に含み抗酸化力の高さは群を抜きます。活性酸素によるダメージから細胞を守ってくれる美容と健康の味方です。

【キウイのこと】
肌のトラブル解消に欠かせないビタミンCが豊富で、キウイ1個で温州みかん約2個分のビタミンCを摂ることができます。ビタミンEも豊富でビタミンCとの相乗効果で抗酸化力を発揮します。ゴールドは、酸味が少なく甘みが強いのが特徴です。


【河内晩柑のこと】
果肉はとても柔らかく、自然な甘さで「別名ジューシーオレンジ」と呼ばれるくらい果汁がとっても豊富。収穫時期が長く、初夏から夏にかけて収穫でき、収穫の時期によってその味わいは変化します。今回お邪魔した、水俣市の山内さんちの畑で育つ河内晩柑は、手でむける丁度良い大きさ…。何とも言えない格別な味わいです。鮮度の見分け方は、爽やかな香りが強いもの、触ってみて重量感があるものがおススメ!

1905年頃、熊本県の(現熊本市西区)河内町で見つかった、文旦の偶発実生のもの。見つかった場所の名前(河内)と収穫時期が春先以降であることから(晩生柑橘)ということで、「河内晩柑」という品種名がつけられています。県内では、河内町はもとより宇城地方、天草、芦北・水俣まで海沿いの地域で広く栽培されています。


水俣市山内農園(写真は株式会社もじょか堂提供)

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

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野菜王国くまもとすむーじぃ40

ゴーゴーゴーヤで夏バテ対策と疲労回復に!

溶けるような暑さが続きますがいかがお過ごしでしょうか。暑い夏を乗り切るために、太陽の光をたっぷり浴びた夏の代表的な野菜「ゴーヤ」にカロテンを多く含む小松菜をプラスして栄養価アップ! バナナの甘みで苦味をやわらげたスムージーをご紹介します。

材料
ゴーヤ    20g
小松菜    30g
バナナ    1本
冷水     50ml
好みでハチミツ 適量

作り方
1)ゴーヤは たねとワタを取り除き、薄くスライスする。
2)小松菜は、2㎝くらいの長さに切り、バナナは皮をむいて一口大に切っておく。
3)ミキサーにすべての材料を入れて、20~30秒ほど撹拌する。


<ゴーヤのこと>
独特の苦味「モモルデシン」には胃腸を刺激して食欲を増進させることに加え、胃腸の粘膜を守るはたらきもあるので、食あたりの予防も!肝機能を高めて血糖値を低下させる作用があるといわれています。
イチゴやキウイフルーツよりも豊富なビタミンCはカロテンとの相乗効果で、免疫力を高めたり、体のサビつきの原因となる活性酸素のはたらきを防ぐ抗酸化作用、メラニン色素の生成を抑える作用などがあります。
100gあたり17kcalと低カロリーで、ダイエットにもおすすめ。豊富な食物繊維はおなかの調子も整え、カリウムは体の水分バランスを調整してくれます。
夏バテで食欲が落ちやすいこの時期に、疲労回復、美肌効果も期待できる夏野菜です。

<小松菜のこと>
緑黄色野菜の中で、栄養価はトップクラス。特にカルシウム含有量は高く、カリウムなどの主要なミネラルも豊富で美肌や老化防止、免液力アップに効果があるビタミンC、カロテンもバランスよく含み、健康と美容の強い味方野菜です。アクがないので食べやすく、生でつかうスムージーにぴったりです。
洗って、ザク切りにした小松菜を、冷凍用保存用袋に入れ、空気を抜いてしっかり閉じ、冷凍保存しておくと、必要な分だけ取り出して使用することができます。


写真は、植木町小泉ファームさんです

ゴーヤあれこれ…
家庭菜園でも作りやすく、グリーンカーテンとして栽培なさる方も多い「ゴーヤ」。すらっとまっすぐつるからぶら下がって、20~25㎝くらいになったら美味しい収穫の適期。

◎店頭で選ぶときは、次のことをご参考に
・ハリとツヤがある
・イボは密になっていて硬く、欠けたりつぶれたりしていない
・表面は濃く鮮やかな緑色で変色がない
・ずっしりと重いもの

◎たくさん採れた時の保存方法
・丸ごとの場合は、新聞紙につつんで、ポリ袋に入れ野菜室で保存
・カットしたものは。種とワタを取り除き、この状態でラップに包むか。薄くスライスして冷凍用の保存袋に入れて冷凍保存する

◎苦味や口当たりが気になるときは
・種とワタをしっかり取り除く
・1~2㎜にスライスして塩もみするか、熱湯でさっとゆでるとやわらぎます

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持田 成子

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野菜王国くまもとすむーじぃ39

女性特有の不調の解消に役立つ一杯

猛暑の季節がやってきました。急な暑さに体が追いついていかなかったり、体調管理が難しかったりの季節ですが、いかがお過ごしですか。

体調を整えるためにしっかりと食事をし、エネルギーを蓄えてこれから続く厳しい暑さに対処していかねばなりません。野菜果物の中に含まれるビタミンB群の中で、エネルギー代謝の大きな役割をもつ「ビタミンB6」。

これは成人女性に不足しがちな栄養素の一つで、不足すると肌荒れや貧血の原因になります。女性ホルモンのバランスを整え、生理痛を緩和したり、造血作用、イライラ防止、更年期症状の緩和など女性にとって重要な栄養素のひとつなのです。

今回は、この「ビタミンB6」を豊富に含む旬の桃とバナナ、イソフラボンをはじめとする女性に嬉しい成分を含んだ豆乳を使ったスムージーをご紹介します。

桃+バナナ+豆乳のスムージー

材料 180ml
桃     1個
バナナ   1/2本
豆乳    1/4カップ(回りにくいときは少々足す)

作り方
1)桃は皮をむいて種を除き、一口大に切る。バナナは皮をむき、一口大に切る。
2)ミキサーに、桃。バナナを入れて豆乳を加え蓋をしてなめらかになるまで撹拌する。

【桃の栄養】
水溶性食物繊維のペクチンが豊富で腸内環境を整え、便通が改善されるため、美容効果やコレステロール値上昇の抑制、動脈硬化や高血圧予防の効果も期待できる果物です。クエン酸やリンゴ酸を多く含むので、疲労回復にもおすすめの果物です。

【バナナの栄養】
速やかにエネルギーのかわるブドウ糖や果糖、でんぷんが含まれ、持続的にエネルギーを産出できます。糖質が多く、熟すとその割合が増えて消化吸収されやすくなります。食物繊維が多く、腸の調子を整えるほか、腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖も豊富。完熟すると栄養価が高まるといわれているので、皮に黒いぶつぶつ(シュガースポット)が現れた頃がスムージーにもおすすめです。

【豆乳の栄養】
ポリフェノールの一種、イソフラボンが女性ホルモンのようにはたらき、更年期症状の緩和や骨粗しょう症予防にも効果を発揮します。ビタミンEや鉄の供給源にもなり女性に嬉しい成分が豊富です。


県下最大の桃の産地、人吉・球磨地方に、生産者様を訪ねて
人吉・球磨地方は山に囲まれた盆地の気候で、特に季節の寒暖の差が激しく40℃を超えます。また、昼夜の気温差も大きいため、農産物の糖度が高いという特徴があります。その中でも、特に錦町は「フルーツの町」として名高く、県下最大の桃の産地として知られており、栽培されている桃は豊かな香りと上品な甘みが特徴です。

その人吉・球磨地方で、祖父母様の代から続く勘米良農園をご両親と営む、坂本美鈴さんを訪ねました。
雨よけトンネル栽培、美しく整えられた園地に入った途端、甘い香りに包まれ、とっても幸せな気分…。こちらでは、梨と桃を栽培されていますがご両親が継承されてもう40数年…、『桃は祖母の前の代からあったそうで、導入のきっかけなどはもうわからないくらい…』小さい頃から袋かけなどの手伝いをしながら育った美鈴さんですが、本格的に農業をやろう!と思ったのは、高校から県立農業大学校に進む頃からだったとか…。県立農業大学校卒業後、ご両親のもとで就農して18年あまり…。

ハウスと露地、合わせて80aの規模での桃栽培は、ふくおとめ→はなよめ→日川早生→日川白鳳→あかつき→なつおとめ→つきあかり→川中島→等、様々な品種をリレーして栽培されています。桃は、収穫前の気温と降雨量で糖度や品質を左右される栽培の難しい果実のひとつ。その作業は開花→受粉→摘果→袋かけ→収穫時期に反射シートを敷いたり、外したり。収穫もひとつひとつタイミングを図りながら、なるべく大切にもいでいく…。地道かつ丁寧な手作業の賜物で、芳しい甘い香りの桃が仕上がっていく、生産現場のご苦労を垣間見た気がしました。


取材先:勘米良果樹園(球磨郡錦町)

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持田 成子

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女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

野菜王国くまもとすむーじぃ38

初夏にありがち「チョイ」疲労には

楠若葉を渡る風も爽やかな季節になりました。

「五月病」ともいわれる、なんとなくの不調…。春の環境の変化でゴールデンウイークを過ぎた頃に感じる、なんとなく体調が悪い、やる気が出にくい…心身の不調を感じたときには、香りも楽しめるスムージーはいかがでしょうか。

果糖が豊富なメロンで疲労回復、ビタミンCが豊富。ストレスを和らげ、リラックス効果が期待される香リ成分に富んだセロリを組み合わせたスムージーをご紹介します。

材料
メロン     100g
セロリ     50g
水       10~20ml

作り方
1)メロンは皮と種を取り除き、一口大に切る。
2)セロリは一口大に切る。
3)ミキサーにセロリ、メロンの順に入れてふたをし、15~20秒回す。


<セロリのこと>
独特な香りが食欲をそそり、シャキシャキした歯ごたえが特徴の野菜。
香りの成分であるセネリンとセダノリッドは、食欲増進、精神を安定などに優れた作用が期待できます。カリウムが豊富なので、血圧低下のはたらきや、食物繊維による便秘の解消にも役立ちます。

セロリの生産者を訪ねて
熊本市西区にある「清正農園」の西 孝弘さん。

西さんに初めて出会ったのは、伝統野菜「熊本長にんじん」を料理教室でつかうために分けてもらうために出かけた冬の寒い日だった…。その時から、今も、いつの時も口になさる言葉がある。

「まず食べてみて!」「食べてみらんと、わからんでしょう」その言葉には重みがある…。自信もって栽培、出荷されていることの証だと感じます。

ヨーロッパ、地中海沿岸が原産のセリ科オランダミツバ属の野菜。日本への伝来は、16世紀末、加藤清正が朝鮮出兵の折に持ち帰って植えたことから、「清正人参」とも呼ばれています。

清正農園近くに、治水の神様と呼ばれる加藤清正が注力した1級河川白川が流れていて、堰がある。その堰があるゆえに、清正農園が営まれる圃場周辺にはミネラル分が豊富で肥沃なのではないかと話されるのです。セロリは代々栽培されて今年で55年目。『調べてみると加藤清正はどうも朝鮮人参の種といわれて持ち帰って植えたら、生えてきたのはセロリだったという逸話もある…』と教えてくださいました。

入った途端にツンとくる独特の香りと翡翠のように美しいグリーンの葉っぱたちが目に飛び込んできます。こちらで栽培されているのは、「緑色種」。西さんが異業種から代々営まれる農業分野に入られて14年…試行錯誤しながらブレンドしたオリジナル肥料を与え始めたところ、より甘さが加わったので「清正のフルーツセロリ」として売り出されています。今回も「まず食べてみて!」1本かいでくださったものをいただくとフルーティで爽やかさな香りと甘さが口の中に広がりました。

デリケートで栽培しづらい野菜ながら、安心安全なものを届けたい信条のもとに栽培される確かな味は県内外のシェフやバイヤーに人気を博すという逸品ですが、まだまだよりよいものを作っていきたい…との語ってくださいました。


清正農園のフルーツセロリはこれが目印

清正農園HP
kiyomasanouen.com

肥後の國物産館
熊本市西区島町3丁目1-1
https://www.higonokuni-bsk.com

城南地域物産館火の君マルシェ
熊本市南区城南町坂野65-1
https://hinokimi-marche.com

 

 


<メロンのこと>
「果物の王様」と称されるメロンは、芳醇な香りと濃厚な甘みが魅力的な果物。甘みの主成分である果糖、ブドウ糖、ショ糖などは体内に吸収しやすく、すばやくエネルギーになるため、疲労回復に…。豊富に含まれるカリウムには余分なナトリウムを排泄して高血圧を予防する効果が期待でき、食物繊維ペクチンが腸内を活性化するので便秘の改善や美肌つくりに力を発揮する、女性に嬉しい果物です。

今回使用しているアールスメロンのようにネット系のメロンとノーネットのメロンがあり多種多様な品種が各地でつくられています。

ネット系なら皮の網目がきれいなもの、ノーネットなら傷がなく表面が艶やかなものを選ぶと良いです。ツルが細く枯れてきたら完熟のサイン、おしりの部分がやわらかく甘い香りがしてきたら食べ頃です。

メロンの生産者を訪ねて…
全国一のトマトの産地として知られる熊本県の中でも、九州山地のすそ野に広がる八代平野は江戸時代から先人たちが幾多の困難を乗り越えながら切り開いた広大な干拓地。熊本県におけるトマトの一大産地です。その中に位置する宇城市小川町で年間20トン以上ものトマトを出荷なさる稲葉ファームさんでは、トマトと同じように愛情を込め、海沿いの温かい気候とミネラル分豊かな土壌を活かして、春と冬に収穫できるメロンの栽培をなさっています。

芳醇な香りととろけるような食感のアールスメロン…稲葉ファミリーの愛があふれる味に感動しながらお話伺ってきました。

稲葉ファームさんも出荷されるJAうきでは、春作メロンの出荷量が熊本県内でトップクラス。
アンデスメロン、クインシー、オレンジハート、アールスメロン、そしてまもなく深い緑色が夏を感じる肥後グリーンメロンと続きます。

連作障害が出ないように土づくりにも弛まぬ努力を重ねながら作業される稲葉さんはじめ熱い生産者さまが届けられる宇城地域のメロンはこちらで入手できます。

道の駅うき サンサンうきっ子宇城彩館
宇城市松橋町久具757-3
https://www.jauki.or.jp/michinoeki/

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

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野菜王国くまもとすむーじぃ37

Happyな気分をあげてくれる赤くて甘いスムージー

春とは名のみの寒さがまだまだ続いています。
バレンタインデーはちょっと過ぎてしまいましたが、
その甘い余韻も続いているこの頃。
ハッピーな気分をさらにあげてくれるスムージーをご紹介します。

真っ赤なミニトマト「アイコ」とネーミングも可愛い真っ赤なイチゴ「恋みのり」で
この季節にぴったりな赤いスムージー。


トマトの赤い色素「リコピン」には抗酸化作用があり、いちごに豊富なビタミンCとともに活性酸素を除去する働きが期待できます。それぞれに含まれるクエン酸の酸味が胃の働きを活発にしてくれるので朝の目覚めの1杯にもおすすめです。

材料  約150ml
いちご  5粒
アイコトマト  5個

作り方
1)イチゴはヘタをとる。
2)アイコはヘタを取り半分に切る。
3)ミキサーに入れてなめらかになるまで回す。

【トマトのこと】
トマトに含まれる赤色色素「リコピン」は強い抗酸化作用があり、生活習慣病予防効果が期待される機能性成分。赤色が濃いほどたくさんのリコピンが含まれるといわれています。また「アイコ」を含めミニトマトは、通常のトマトより栄養価が高い。例えばビタミンCは約2倍、カロテンの量も約1.8倍で、そのほかのビタミン、ミネラル、食物繊維も通常のトマトに比べて多いのです。プラム型のアイコは、果肉がかっちりとしていて中のゼリーが少なめ、酸味が少なく甘みが強い品種です。

【いちごのこと】
果物のなかでもトップクラスのビタミンCを含み、風邪の予防や肌荒れやシミの予防やストレスの緩和に役立ちます。赤血球の生成や細胞の健全な成長に欠かせない葉酸が多いのもいちごの特徴。貧血が気になる方や、これから妊娠を望む若い女性には積極的にとりたい果物です。

今回ご紹介したネーミングも可愛い「恋みのり」は、農研機構 九州沖縄農業研究センターで開発されたいちごで、イチゴ久留米48号、「さつまおとめ」、「さがほのか」の多元交配から得た03042-08に、熊本いちごの代表的品種「ひのしずく」(「熊研い548」)を交雑した実生集団から選抜された熊本由来の品種です。

いちごの生産量全国3位を誇る有数の産地熊本県では、「ひのしずく」「ゆうべに」はじめ、様々な品種のいちごの生産が盛んですが、この「恋みのり」は大粒で酸味が少なく、甘いと人気。JA熊本うきでは、ブランド名「恋のぞみ」(品種名恋みのり)として栽培・出荷されているそうですよ。

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持田 成子

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野菜王国くまもとすむーじぃ36

ペクチンと乳酸菌でおなかスッキリ!

朝夕の秋風が心地よいこの頃です。収穫の秋、野菜も果物も彩り豊かに、食欲をそそります。名残のいちじくのペクチンとブルーベリーで食物繊維たっぷり、ヨーグルトの乳酸菌をプラスして、女性の悩みのひとつにあげられる便秘改善にお役立ちなスムージーをご紹介します。

材料出来上がり 約200ml
いちじく       1個
ブルーベリー(冷凍)  50g(約25粒)
ヨーグルト   100ml

作り方
1)いちじくは4等分にして、皮をむく。
2)ミキサーにすべての材料を入れ、20秒ほどまわす。

(好みでハチミツを加えても美味しくなります)


(写真は知人の庭先でそだついちじく)

<夏と秋に旬があるいちじくのこと>
世界で最も古い果物のひとつ「いちじく」。いちじくの品種はとても多く、旬の時期は品種によってさまざま。6月から11月頃まで味わうことができます。いちじくには、冬を越して成長し翌夏に熟す「夏果」と春に実をつけて秋に熟す「秋果」があるので、旬が年に2回あるといわれています。

秋のいちじくは、8月下旬から10月中旬ごろが旬。夏果に比べると小ぶりの品種が多く、濃厚な甘みが特徴のものが多いです。

原産地:アラビア半島。日本への伝来は16世紀末…ポルトガルのメスキータ神父が河内浦(現在の天草市河浦町)に植えたと伝わり天草が日本の発祥地とされています。
(参照https://agri-kumamoto.jp/reference/data/vitamin-table%E3%80%80

名前の由来:花が果実の中で咲き、見えないことから「無花果」。実の内部で数の花をつけ、そのひとつひとつがタネとなります。

栄養:食物繊維、特にペクチンが豊富で、整腸作用があります。カリウムや鉄、葉酸も豊富で女性に嬉しい果物。たんぱく質を分解する酵素「フィシン」が含まれていてたんぱく質の消化に役立ちます。赤色の色素は、ポリフェノールの一種「アントシアニン」です。

<ブルーベリーのこと>
目に効く果物として人気のブルーベリーは、青紫色の色素「アントシアニン」が豊富で、眼精疲労を回復させ、視力の低下を防ぐ作用があります。皮ごと食べるので食餅繊維も多く摂取でき、便秘予防効果が期待できます。

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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ストレスフルな毎日に、一杯のスムージー

楠若葉が眩しく爽やかな季節になりましたが、依然としてコロナ禍は収まらず見えぬウイルスの脅威に不安とストレスを感じていらっしゃいませんか。ストレスを感じるとぐっと減ってしまうといわれるビタミンCを旬の晩柑で補給し、リラックス効果が期待されるセロリを組み合わせた、疲労回復にもおすすめのスムージーをご紹介します。


晩柑とセロリのすむーじぃです。

材料出来上がり 約180ml
セロリ          100g
晩柑(1/2個)      200g

作り方
1)セロリはよく洗い乱切りにする。
2)晩柑は皮をむき、小房に分け乱切りにする。
3)ミキサーにセロリ、晩柑の順に入れてふたをし、撹拌する。(撹拌しにくかったら、様子を見ながら水を少し加えてください)

<セロリのこと>
健康効果のほとんどは香り成分に。主なはたらきに、精神を安定させる作用、食欲増進、血圧を安定させたり、血栓ができるのを防ぐ作用などがあるといわれます。ミネラルでは、利尿作用や高血圧予防に役立つカリウムが豊富です。

<晩柑のこと>
晩柑(河内晩柑)は1905年ごろに熊本県河内町(現熊本市西区河内町)で見つかった文旦の偶発実生です。発見された場所の地名(河内)と収穫時期が春先以降であること(晩生の柑橘)から、「河内晩柑」という品種名がつけられています。
外観や大きさはグレープフルーツとよく似ていますが、果汁がたっぷりでジューシーオレンジとよばれることもあるほど。さわやかな甘みでさっぱりした味わいです。


(圃場写真: 熊本市西区 清正農園)

セロリの畑を訪ねて
地中海沿岸が原産ですが、ヨーロッパに広く自生していたようです。古代ギリシャ・ローマの時代には薬や香料、魔よけに利用されていたのだとか…。日本への伝来は、16世紀末、加藤清正が朝鮮出兵の折に持ち帰って植えたことから、「清正人参」とも呼ばれています。

日本へ持ち帰ったのが加藤清正ということは、日本初の栽培地は熊本?!…ということで「清正」の名がつく、熊本市西区の清正農園・西孝弘さんを訪ねました。清正農園さんと言えば、伝統野菜「くまもと長にんじん」の生産者として県内外で有名な方なのですが、セロリ=清正人参について改めてお話を伺いました。

セロリは代々栽培されて今年で54年目。『調べてみると加藤清正はどうも朝鮮人参の種といわれて持ち帰って植えたら、生えてきたのはセロリだったという逸話もある…』と教えてくださいました。そもそもその朝鮮出兵の際に、藤崎八幡宮に戦勝祈願のお供えをしたのがこちらの農園がある上代(神代)の野菜だったと…。

故に持ち帰った種も上代の地に植えられたのかな…と、清正公の時代に思いを馳せながら、ハウスの中に…。入った途端にツンとくる独特の香りと瑞々しいグリーンの葉っぱたちが目に飛び込んできました。そうです!こちらで栽培されているのは、「緑色種」。西さんが異業種から代々営まれる農業分野に入られて13年…試行錯誤しながらブレンドしたオリジナルの肥料を与え始めたところ数年前からより甘さが加わったので「清正のフルーツセロリ」として売り出されたのだそうです。畑でいただくとまるで「梨」のような爽やかさ甘さが口の中に広がりました。

デリケートで栽培しづらい野菜ながら、安心安全なものを届けたい信条のもとに栽培される確かな味は県内外のシェフやバイヤーに人気を博すという逸品ですが、まだまだよりよいものを作っていきたい…との語ってくださいました。

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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春の芽吹きでカラダにスイッチオン!

三寒四温を繰り返しながら、春がもうそこまで来ているようです。春の野菜には、眠っていた体に細胞を目覚めさせ、胃腸の働きを活発にしてくれる成分がたくさん含まれています。

ふきのとうに代表されるほろ苦さもその代表格。春の芽吹き野菜で、体にスイッチをいれてみましょう。

清らかな水があるところで育つ「クレソン」と、おしりがプチっとした可愛いフォルム、今が旬!の、春らしいレモンイエローのサラダみかん「はるか」の組み合わせをご紹介します。

 材料出来上がり 約150ml
クレソン   2枝
はるか    2個
(はちみつ    小さじ1)

作り方
1)クレソンは洗って一口大にちぎっておく。
2)はるかは、皮をむいて、白い皮をつけたまま、中心にある種をさけるようにそぐようにカットする。
3)ミキサーに、クレソン、はるかをいれてなめらかになるまでまわす。ピリッと感が気になるときは、はちみつを加えてみる。


<クレソンのこと>
原産地はヨーロッパで、3000年以上昔から健康効果があると考えられて利用されてきた最古の薬用野菜のひとつといわれています。日本へは伝来したのは明治初期、滞在する外国人向けに栽培が始まりましたが、繁殖力が強く各地で水辺や湿地で自生し広がっていきました。熊本県内では、世界遺産登録された天草・﨑津に1880年頃フランス人宣教師ボンヌ神父が伝え、その名前が由来し「ボンゼリ」とか「パ―テラゼリ」と呼んでいます。パーテラ(ポルトガル語のパーデレの訛り=神父様、「セリ」は日本古来の野草「せり」というわけです。外国から赴任した神父によって持ち込まれたものが地域食材として根付いてきたことを知る呼び名です。

肉料理のつけあわせとして馴染みふかい野菜ですが、健康に重要とされるカリウム、食物繊維、タンパク質、カルシウム、鉄、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、亜鉛、ビタミンA、B6、B12、C、D、E、Kの17もの栄養素を含むスーパーベジタブル。鉄や葉酸をふくむので、貧血予防にも効果が期待されています。

ピリッと感じる特有の辛み成分はシニグリンといい、消化吸収を促し、食欲増進や胃もたれの解消に力を発揮する抗酸化成分です。通年栽培されている地域もありますが、旬はこれから…3月から6月です。店頭で見かけられたら是非、スムージーやサラダで召し上がってみませんか。

 

<サラダみかん「はるか」のこと>
サラダみかん「はるか」は日向夏(サマーオレンジ)の自然交雑実生(種から育つ)から選抜しながら育成されて、1996年に品種登録された、比較的新しい柑橘です。

「はるか」は、レモンのような見た目に反して酸味が少なく、カットした途端広がる爽やかな香りで春の訪れを感じさせてくれる爽やかな柑橘です。ゴツゴツとした、酸っぱそうな皮からは想像できない上品な甘さで、酸味の少ないぷるっとした食感が人気です。


<クレソンの生産者さんを訪ねて>

清らかな水あるところにクレソンあり!豊富な地下水を誇る熊本にはあちこちの清流域に生産者さんがいらっしゃるのですが、菊池川水系の源流に近いところ、「「なないろ農園」亀川直之さんのほ場をお訪ねしました。山々に囲まれた、ピンと張りつめたような澄んだ空気、静かな流れのところにクレソンが生育していました。お邪魔したのは風が冷たい一日だったのですが、水温は程よい温かさ。年間を通して15℃くらいだとか…。水温と地温、より自然に近い環境で水の流れや砂利質の土壌でないと栽培がうまくいかないとおっしゃるのです。実は元エンジニアの亀川さんは東京出身で移住して就農した方。少量多品目の有機JAS認定生産者なのですが、研究熱心、調べて実践し、栽培の技を確立し、JAS認証等で裏付けていかれる様は研究肌です。「クレソン」栽培についても、まだまだ探究の途上とおっしゃいますが、お話伺いながら摘んで食べたピリリと、独特な香りのクレソンは清々しい立派な味でした。

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持田 成子

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ストレスや肩こりの解消に!? くまもとすむーじぃ!

ストレスや緊張からくる肩こり…抗ストレス作用のビタミンCをたっぷりとってストレスからくるダメージを軽減して肩こりを楽に…。旬のビタミンCたっぷりの組み合わせをご紹介します。


材料出来上がり 約180ml
カリフラワー  3房
いちご     5-6粒(約80g)
レモン     1/4個(果汁を絞る)
はちみつ    大さじ1
水       1/4 カップ

作り方
1)カリフラワーは小房に分けて、ボウルに水をはって2~3分つけて水気をよくきっておく。
2)いちごは洗ってヘタをとる。
3)ミキサーにすべての材料をいれてなめらかになるまで回す。


<カリフラワーのこと>
ブロッコリーの突然変異で生まれたとされるカリフラワー。ブロッコリーと同様に、免疫機能を高めてがんの予防に効果が期待されるアブラナ科の野菜。ビタミンの中では、特にビタミンCが豊富で、100g当たりの含有量はオレンジの約1個分といわれています。ビタミンCは風邪予防やストレス緩和、肌トラブルに力を発揮します。


カリフラワーの生産者さんを訪ねて…

トマトの大型ハウスが立ち並ぶ八代市郡築地区で、露地野菜を栽培なさっている野菜ソムリエ仲間の喜多川容紫子(きたがわ よしこ)さんをお訪ねしました。

八代は「い草」の生産量日本一の地域…。喜多川さんもご主人の勲さんと長年「い草栽培」に携わっいらしたそうです。ですが、容紫子さんが体調を崩されたことをきっかけに、農作業の負担が大きい「い草栽培」から露地野菜への転換を決意され、最初はじゃがいもを栽培しながら土壌を徐々に改良して野菜へと移行してきたと話してくださいました。主に白菜、キャベツ、カリフラワーやブロッコリー…、アブラナ科の野菜をそれぞれの品種をリレーしながら、8月の播種、9月の定植…と順に時期をずらして作業し3月頃まで収穫・出荷していかれます。


干拓地のミネラルをたっぷり含んだ土壌で育つ野菜たちはとても甘くて、お取引先にも大好評と伺いました。さらに楽しみながら取り組んでいらしゃるのが、色とりどりのカリフラワーの栽培。真っ白、紫色、オレンジ色、黄緑色はもちろんのことその外観がユニークなロマネスコ…カラフルな野菜たちは喜多川さんの笑顔とともに、キラキラ輝いていました


<いちごのこと>
ビタミンCを多く含む果物の中でもいちごはトップ10に入るほど豊富。5~6粒食べると1日に必要な量をとることができます。新陳代謝を高めるビタミンCは、かぜ予防、肌荒れやシミなどの肌トラブル予防にも効果的で、ストレス緩和にも役立ちます。このほか、血圧を正常に保つカリウムや、赤血球をつくり貧血を予防に役立つ葉酸を豊富に含むのもいちごの特徴です。


熊本県オリジナル品種のいちご「VSO3」のこと
熊本県農業研究センターが、熊本県内でのいちご栽培面積の6割を占める 「さがほのか」に代わる品種として、2005(平成17)年から約9年間にわたり研究に研究を重ねて開発に取り組んだ品種で、2014年に「VSO3」として品種登録。2015年「ゆうべに」という愛称が決定しデビューしました。

年間5000株もの苗で栽培を検討し、食味や形、色、育て方など厳しいチェックが繰り返されて選抜されてきた候補は実に数万株の中から選りすぐられた5系統だったと、当時の研究チームの方から伺ったことがあります、その5系統からさらに栽培条件を様々に変えながら選抜されて品種登録された「VSO3」。

大玉で赤い果皮、果肉も赤から白のグラデーションがとても美しい。甘さと酸味のバランスが良いのが特長です。クリスマス時期の収穫量が多く、5月頃まで安定して出荷されます。

時には1日300個食べたこともあると聞き及ぶ、研究チームの熱い思いとたゆまぬ努力で誕生した「ゆうべに」ですが、その可能性をさらに追求し、おいしさをひきだしていくための取り組みは、合志市にあり県農業研究センターを中心に今も続けられています。全国から寄せられた応募の中から選ばれた愛称「ゆうべに」は、華やかで上品なイメージとそのおいしさで、全国に多くのファンを獲得しているようです。

熊本県オリジナルいちご「ゆうべに」(公式)youbeni.jp

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持田 成子

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野菜王国くまもとすむーじぃ32

貧血改善にも?! お茶を使ったグリーンスムージー

オンライン開催中の熊本市農産物フェア2020「くまもと収穫祭」
いよいよ、2月いっぱいの開催となりました。
今回も、コラボ企画の記事です。

お茶や小松菜に含まれる葉酸は、造血や細胞の新生にはたらくビタミン類。貧血の改善や認知症や脳梗塞、心不全の予防にも効果が期待されています。女性に嬉しい「葉酸」をグリーンスムージーで手軽にとりましょう!


<こまつな・りんご・バナナ・お茶のスムージー>

材料1人分(約250ml)
こまつな   1株(30g)
りんご    1/4個
バナナ    小1/2本
お茶(ティバッグまたは茶葉小さじ1) 1/2カップ

作り方
1)こまつなは洗って根元を落とし、ざく切りにする。リンゴは洗って芯をとり、皮ごとざく切りにする。バナナは皮をむき、一口大に切る。

2)お茶は少量の適温の湯で淹れて、氷2~3個いれて1/2カップ量にしておく。(茶葉小さじ1を適温の湯で淹れて、茶葉が開くまで待って氷2~3個で1/2カップ量にして茶葉ごと使用するとさらに栄養・機能性アップ!)

3)ミキサーにすべての材料を入れて、なめらかになるまでかくはんする。

おすすめポイント
栄養価トップクラスのこまつなからは特に、βカロテン、ビタミンC,葉酸、カルシウムを!腸内の消化を助ける効果が期待される食物繊維を含むりんごとバナナに、お茶のビタミンCと葉酸をプラス…。りんごとバナナ、お茶の甘みで飲み心地良い組み合わせです。

くまもとのお茶
熊本の茶栽培の歴史は古く、平安時代後期からといわれています。熊本県は、全国でも4番目の栽培面積(1610ヘクタール)を誇る有数のお茶どころ。県内の有名産地は菊池川や緑川、球磨川や水俣川など清流の上流地帯に広がっています。

中でも、菊池川上流の渓谷に端を発する清らかな水が生み出す、山鹿地域のお茶は、細川家の御前茶として献上された歴史を持ち、江戸時代から親しまれてきました。熊本では、九州独自の「蒸し製(むしせい)玉(たま)緑茶(りょくちゃ)」と「煎茶(せんちゃ)」、「釜炒り茶(かまいりちゃ)」の3種が主に生産されています。特に「玉緑茶」は全国屈指の生産量を誇り、全生産量の1/4が熊本県産なのです。

蒸し製(むしせい)玉(たま)緑茶(りょくちゃ)… 摘み取った茶葉を蒸して勾玉(まがたま)形に製造したもので「グリ茶」とも呼ばれている味わい深いです。

煎茶(せんちゃ)…玉緑茶と同じく蒸し、揉みの工程で細い針状に形成されたお茶です。日本で生産されるお茶の80%を占めているのでよく見かけます。芳香と深みのある味わいです。

釜炒り茶(かまいりちゃ)…新芽を直火にかけた釜で炒り、手で揉みながら乾燥させてつくるお茶。ほとんどの工程が手作りでひときわ香りが高く、さっぱりした味わいです。

お茶の栄養や機能性成分は…
代表的な成分として、カテキン類(茶独特の渋みでタンニン)、カフェイン、アミノ酸類、ビタミン類も多く含みます。ビタミンCは水溶性ですが、製茶の際に最初に行われる蒸し過程で、ビタミンC等を酸化させる酵素を死活させるために、緑茶のビタミンCは壊されすに多く残っています。他に体内にはいるとビタミンAに変わるβカロテンや葉酸、ビタミンEが含まれます。カロテンはビタミンCとともに発がん抑制にはたらくのではないかと注目され、葉酸は造血や認知症や脳梗塞、心不全の予防に、ビタミンEは動脈硬化予防効果が期待されるといわれています。¥

お茶を飲むタイミング
朝のお茶一杯は…カフェインで頭スッキリ!下がり気味の血圧を適度に高めます。
食後のお茶一杯は…カフェインが胃腸の働きを活発に。カテキンが口臭予防に。
美容には…ビタミンCは紫外線によるメラニン色素の沈着予防や肌のハリを保つコラーゲン生成に。カテキンは肥満の防止や強い抗酸化力を発揮してアンチエイジングに。

こんなチカラがたっぷりなお茶…県内の産地では、4月中旬に一番茶の収穫を迎え、8月中旬までに2番茶、3番茶と収穫が続いて、毎年約1800トンが出荷されるそうです、お茶を飲むことも、茶葉を食べることも健康長寿に役立つといわれています。豊かな熊本の野菜・果物をつかったスムージーにもお茶(茶葉)も加えると、より健康的なスムージー生活になりそうです。

 

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持田 成子

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あわただしい季節にビタミンたっぷりの飲むサラダ!

みかんといちごにはコラーゲンの生成を助けるビタミンCがたっぷり。ミニトマトは普通のトマトに比べると栄養量が多い。たとえば、ビタミンCは2倍、カロテンの量は1.8倍もあるんです。ビタミンたっぷりチャージでき、アンチエイジングも力を発揮してくれる旬の組み合わせをご紹介します。

材料出来上がり 約150ml
みかん    1個
いちご    5粒
ミニトマト  5~6個

作り方
1)みかんは皮をむいて、房にわける。
2)いちごとミニトマトは洗ってヘタをとる。
3)ミキサーにすべての材料をいれてなめらかになるまで回す。


<温州みかんのこと>
日本の代表的なフルーツ「みかん」。柑橘類のルーツは約3000年前に現在のインド・タイ・ミャンマーの周辺とされていますが、最初に栽培されたのは中国、約4000年前に中国の栽培史(橘史)に記述があるといわれています。遣唐使・遣隋使により中国大陸との交流が盛んだった九州に種々の柑橘が持ち込まれ、「温州みかん」は鹿児島県長島で誕生した突然変異種との説もあります。

栄養・機能性
新陳代謝を活発にし、美肌効果や免疫力を高め、風邪の予防にもなるビタミンCが豊富。白い薄皮部分に含まれるビタミンPには血管を強化し、動脈硬化予防の助けになるといわれています。


<いちごのこと>
さわやかな香りと優しい甘みが人気の果物。可食部(食べる部分)は果実ではなく花托発達したもので果実に当たるのは表面の粒です。

栄養・機能性
ビタミンC、アントシアニンなど抗酸化作用がある成分を豊富に含む。洗うだけで手軽に食べられるのでビタミン摂取には嬉しい果物といえます。

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乾燥しがちなこの季節に、お肌のことを考えたスムージー!

女性に嬉しいビタミンCが豊富で、体の中の酸性物質を減少させたり、疲労回復に効果があるとされるクエン酸が豊富なスイートスプリング。にんじんのカロテンで免疫力もアップ、リンゴで食物繊維をたっぷりチャージして乾燥しがちな季節の美肌や風邪ひき対策におすすめの一杯をご紹介します。

材料出来上がり 約200ml
スイートスプリング  大1/2個
にんじん  1/2 本
りんご   1/4個
水     50ml

作り方
1)スイートスプリングは、皮と種を除き、果肉ととりだす。
2)にんじんは皮ごと、りんごは皮をむいてヘタと種をのぞき、薄切りにする。
3)ミキサーにすべての材料をいれてなめらかになるまで回す。

おすすめポイント
スイートスプリングの薄皮は少し硬いのですが、気にならなければ薄皮ごとつかうと、食物繊維量は約1.1倍アップ、含まれるビタミンPがビタミンCの吸収を高めるとともに毛細血管を丈夫に。高血圧予防になる成分の摂取が期待できます。

<スイートスプリングのこと>
スイートスプリングは、温州ミカンと八朔(はっさく)の交配によりうまれた比較的新しい柑橘。熊本県は栽培面積が広く、全国的な産地です。旬の始まりは、果皮がつやのある緑色、果肉は美しいオレンジ色で、柔らかく果汁がとても多くて、さわやかな甘みが特徴です。

栄養・機能性
ほかの柑橘類と同様にビタミンやβクリプトキサンチンが豊富です。


[写真:津奈木町役場提供]

<スイートスプリングが盛んに栽培される芦北・水俣地域にて>
熊本県南の八代海に面した温暖な気候のこの地域では、甘夏・不知火柑(デコポン)をはじめ多くの柑橘類が栽培されています。今回、水俣の道の駅観光物産館「まつぼっくり」で購入したスイートスプリング。水俣市袋にあるおにつか農園さんのものでした。生産者、鬼塚さんは55、6年前より栽培を始められた柑橘専門農家の2代目。現在は、デコポンはじめ5種類の柑橘を栽培なさっているそうです。比較的新しい品種であるこのスイートスプリングは導入されて10年足らずとのことですが、徹底した栽培管理と培われた技術で育った土づくりと根づくりにこだわり、育てられた果実、ほとばしるような果汁のさわやかな味わいに、栽培に対する信念をうかがえたような気がします。

八代海を背景にオレンジ色や黄色に染まる畑、潮風を感じに芦北・水俣地域を訪れてみませんか。

<スイートスプリングが購入できる主なところ>
■道の駅みなまた 観光物産館まつぼっくり
水俣市月浦54-162  0966-62-2003

■つなぎ百貨堂 グリーンゲート
葦北郡津奈木町1601  0966-78-2000

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旬の健康フルーツ柿でカラダの冬支度を

銀杏も色づき始め、日ごとに秋が深まってきました。山都町や阿蘇ではそろそろ霜が降り始める頃。気温や湿度の変化が激しくなり、ついつい体調を崩しがち…。ビタミンCをたっぷりとってウイルスを撃退、体の冬支度をしておきたいものです。

今月は熊本が日本一の生産量を誇る果物のひとつ、太秋柿をつかったレシピのご紹介です。

材料出来上がり 300ml
太秋柿   1/2個
りんご      1/4個
バナナ   1/2本
ヨーグルト 大さじ3
水     少々

作り方
1)柿とりんごは皮をむいてヘタと種をのぞき、うすぎりにする。
2)バナナは皮をむいて一口大にちぎる。
3)ミキサーにすべての材料をいれてなめらかになるまで回す(回りにくかったら水を少々加える)。

おすすめポイント
柿には肝臓を丈夫にするアミノ酸が含まれていて、カロテンやビタミンCも豊富な旬の健康フルーツ。リンゴやバナナ、ヨーグルトと組み合わせたこのレシピは腸内環境を整えて腸スッキリ!です。


<太秋柿のこと>
カキの「品種」太秋は、「富有」をベースに「次郎」と「興津15号」を掛け合わせてできた品種を各かけ合わせて生まれた大型の完全甘柿品種です。1994年8月に品種登録されています。
果実の大きさは380g前後と大玉で、中には500gを超えるものもあるとか。果肉が梨のようにサクサクして柔らかく果汁が多く、種は少なめ、糖度も高い品種です。果頂部に円を描くように細かいひび割れのような筋が入りやすい特徴も持っています。この筋は「条紋(じょうもん)」と呼ばれ、見た目は悪いのですが。この条紋が入った部分は周りより糖度が上がったためにできるといわれます。選ぶ時の目安に!

栄養・機能性
昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、柿はビタミン・ミネラルが豊富です。
・ビタミンCは100g (約1/2 個あたり)70 ㎎
・抗酸化作用が高いβカロテンやβクリプトキサンチンも豊富
・体内の余計な塩分を排出してむくみを防ぐカリウムが豊富
・渋味成分タンニンにはアルコール分解作用があり二日酔い解消に効果的です。

太秋が大玉になる訳は…
熊本県果樹研究所で話を伺いました。大玉づくりの基準として、摘蕾(てきらい)→摘果→摘花、葉25~30枚に対して1果が目標のひとつとか。高い木で作業するのは危険も伴い、効率も悪いため、樹高を低くする棚栽培が導入され、約2mのところに鉄パイプを格子状に張って棚を設置、枝を誘引して低い樹が作り上げられていました。この棚栽培の導入の結果、作業の省力化はもちろん、色付きの良い大玉の果実が収穫できるようになってきたのだそうです。熊本に栽培導入して約20年、県も産地も様々な研鑽と努力を重ね、品質・食味共に主力品種として成長してきているとのことでした。


<熊本にもりんご園があります>
今回の準主役であるりんごですが、熊本にもりんご園があるので情報としてご紹介します。

熊本市 吉次園
阿蘇市【果実の国】カップルズ
南小国町 林檎の木

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秋バテ予防と紫外線対策スムージー

朝夕はひんやり、日ごとに秋の佇まいになってきましたが、日中はまだまだ暑い日が続いています。なんとなく体の不調を感じていませんか。朝夕凌ぎやすくなってきてもなかなか疲れがとれなかったり、体の不調を訴える人が増えてきたことから、秋のはじめの不調を「秋バテ」と呼ばれるようになりました。

「秋バテ」やついうっかりしがちな秋の紫外線対策に…。果糖やブドウ糖、クエン酸もたっぷり!の巨峰、ビタミンCたっぷりの赤いパプリカとレモンををつかったスムージーのご紹介です。

巨峰+赤パプリカ+レモンのすむーじい

<材料 (出来上がり約200ml)>
巨峰      100g(約100g)
赤パプリカ   1/8個
レモン     1/6個
水       50ml

<作り方>
1)巨峰は半分に切り、種をとる。
2)赤パプリカヘタと種を取り、一口大に切る。
3)ミキサーに、(1)と(2)、レモンの絞り、水を加えてなめらかになるまで約30秒回す。

Recipeのポイント
巨峰の皮には抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれるので皮ごと、ビタミンC豊富な赤のパプリカとレモンとともに、美肌効果と疲労回復が期待できる組み合わせです。

<ぶどうのこと>
夏から秋を代表する果物のひとつ「ぶどう」は品種がとても多く全国で広く栽培されています。最近は、栽培技術、保存・流通技術の進歩、レッドグローブやトンプソンなどの輸入が増え、ほぼ一年中手に入るようになりました。

甘みと酸味をバランスよく含んだぶどうの主成分は果糖やブドウ糖などの糖類。糖類は体内に吸収されるとエネルギー源に換わるため、即効性の疲労効果があります。またカリウムを比較的多く含むので、ナトリウムの排出させるので、血圧を低下させる働きも。

黒、赤、黄緑とあるぶどうの皮の色。この色の違いは皮に含まれるアントシアニンの量の違いによるといわれています。アントシアニンは体のサビ、活性酸素を抑えるはたらきがあるポリフェノールの一種で、黒や赤の皮色品種に多く含まれています。種にも高い抗酸化作用があることが研究で分かってきていますので、皮ごと、種ごとミキサーでいただけるのスムージーやジュースでも取り方はおススメです。

<ぶどうの栽培はどんなところで…>
一日にうちで寒暖差が大きく、山あいで風通し良い、水はけの良い土壌が栽培に適しているといわれます。

熊本県内でも様々な地域で栽培されていますが、宇城地方では1990年に不知火町で河野隆夫氏が「藤稔」と「ピオーネ」を交配、選抜して育種2004年に品種登録された「ブラックビート」という熊本で生まれた品種もあるほど栽培が盛んな地域の一つです。そんな宇城地方の中でも中山間地域の気候で様々なフルーツが栽培されている豊野町は「フルーツ王国」として知られています。昨年からタイに輸出されている「シャインマスカット」は高評価で、2年目の今シーズンは特に高値がついたと聞き及びます。生産者さまが愛情をたっぷり注いで育てておられることがうかがえるエピソードのひとつ…。

先日、そんな豊野町にある「アグリパーク豊野」にお邪魔してきました。
「ぶどう」の収穫出荷は終盤にさしかかりましたが、これからの季節、特産の「豊野生姜」、根菜類、「太秋柿」やくまもと赤ブランドに認定されている「ブランド干し柿」もぞくぞく登場するそうです。豊穣の秋…山の恵みを探しに出かけてみませんか。

(取材協力 熊本県農業技術課・宇城地域振興局・アグリパーク豊野 http://agripark-toyono.net

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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暑い夏に負けないために、腸を整えましょう

灼熱の太陽が照り付ける毎日…
そんな毎日は、腸をキレイにすることを心がけて元気をキープしたいものです。今回のスムージーは、疲労回復に有効なクエン酸、消化を助ける酵素を含むトロピカルフルーツの代表格パイナップルと美腸食材の代表ともいえるりんごに、爽やかな香りのバジルを組み合わせました。


パイナップル+りんご+バジルのスムージー

材料 出来上がり約200ml
パイナップル    1/6個
りんご       1/4個
バジルの葉     5枚
水         1/2カップ

作り方
1)パイナップルは、葉を切り落とし、縦に6等分に切る。芯の固い部分を切り落とす。一口大に切り込みを入れ、皮からナイフでそぎ取る。
2)りんごはよく洗い、皮付きのまま8等分に切って芯を除き、一口大に切る。
3)バジルの葉はちぎる。
4)ミキサーにすべての材料をいれて、なめらかになるまで攪拌する。

Recipeのポイント
消化を助ける酵素プロメラインを含むパイナップルと水溶性食物繊維豊富なりんごで腸の動きを整える組み合わせに、バジルのスパイシーで甘さがある爽やかな香りをプラス!暑い夏に、爽やかな香りの一杯です。

<パイナップルのこと>
甘酸っぱい果汁がたっぷりのパイナップルは、クエン酸が豊富で暑い夏の疲労回復にぴったりの果物。水分代謝を整えるカリウムや便秘予防にはたらく食物繊維も豊富です。プロメラインという酵素は消化を助け、胃もたれや胸やけを防ぐ効果があるといわれています。

<りんごのこと>
豊富に含む水溶性食物繊維ペクチンが腸の働きを整えて、便秘と下痢の両方を改善します。ペクチンにはコレステロールの吸収を抑える作用もあり、生活習慣病予防にも役立ちます。皮の部分にペクチンが多く含まれるので、皮ごと食べるのがおすすめです。


<バジルのこと>
シソ科の一年草スイートバジルは、イタリア料理でおなじみのハーブ。スパイシーで甘さのある甘さのある爽やかな香りで、消化促進作用や抗菌作用があります。ドライよりもフレッシュで使うほうが香りが引きたち、料理の仕上げにつかうとより効果的です。プランターでも簡単に栽培できるのでおすすめです。

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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おなかスッキリ!? 夏バテ予防には、夏野菜のスムージー

1年で最も日が長い時期。梅雨の真っただ中ですが、梅雨の晴れ間の日差しはもう夏そのものですね。雨が続くと体がだるくなりがちですが、出始めた「夏野菜=カリウムをたっぷり含む野菜」をしっかりとって元気に過ごしたいものです。

食物繊維、カリウムも豊富なとうもろこしをつかったスムージー、便秘の予防や改善にチカラを発揮してくれる一杯をご紹介します。


とうもろこし+サラダ玉ねぎ+牛乳のスムージー

材料(出来上がり約200ml)
とうもろこし(実をとりだす)  正味100g(大1/2本分)
サラダ玉ねぎ          30g(うすぎり)
牛乳              1/2 カップ

作り方

1)とうもろこしは、ナイフで実ととりだす。(とれたては是非生で!レンジで加熱するときは薄皮をつけたまま、600W で60秒くらい)

2)ミキサーに(1)のとうもろこし、薄切りにしたサラダ玉ねぎ、牛乳を入れてふたをしてなめらかになるまで、攪拌する。

Recipeのポイント
むくみや高血圧予防にはたらくカリウムが豊富な組み合わせです。また、玉ねぎの硫化アリルがとうもろこしの胚芽に含まれるビタミンB1の吸収を促進して疲労や不眠、夏バテの解消に。牛乳のビタミンB2が代謝アップ、とうもろこしと牛乳のカルシウムで骨も丈夫に!


<とうもろこしのこと>
ひげの数と同じ実が詰まっているといわれる「とうもろこし」。ひと粒、ひと粒の表皮にはセルロースという食物繊維が含まれています。セルロースは体内で水分を吸収してふくらみ、腸管を刺激して便通を促したり、体には不要な物質を吸着して体外に排泄するはたらきを持っています。

タンパク質や糖質を多く含み、野菜でありながら多くの国で主食としても食べられていることも特徴のひとつです。旬を迎える夏にかぶりつきたい夏野菜です。

粒が黄色一色のモノカラー、黄色と白の二色のバイカラー、ホワイト、3色、紫色などがあり、様々な品種が開発・栽培されています。今回のレシピに使用したのはホワイト種の「雪の妖精」というもの。きいろのとうもろこしでつくるとレモンイエローのスムージーに仕上がります。

 

「雪の妖精」はじめ数種のとうもろこしを栽培されている生産者さんを訪ねて…
熊本市内から高速を走ること約1時間半…海岸線を時折眺めながら目指したのは芦北町女島。Kama farm 釜博信さん。不知火海からの潮風に恵まれ温暖な気候のこの地で特産の柑橘栽培農家の4代目の釜さん。ご自身の代になってからこの気候を生かしてサラダ玉ねぎ「サラ玉ちゃん」の栽培を主に行う生産者さんです。

そんな釜さんが昨年からとうもろこしを栽培されている…しかもホワイト種!と聞きつけ、訪問しました。
圃場からすぐのところにある堤防を越えるとそこは海!不知火海からの潮風が自然のミネラル分を運んできて、除草剤は不使用、農薬・化学肥料をできるだけ低減した特別栽培でサラダ玉ねぎを栽培する熊本県認定エコファーマーでくまもとグリーン農業生産者です。

昨年からサラ玉ちゃんの裏作として緑肥も兼ねてとうもろこしの栽培を始められたそうです。1.2ヘクタールの面積で、「雪の妖精」→「プラチナホワイト」→「ピュアホワイト」の品種をリレー栽培。サラダ玉ねぎがユリ科なのに対し、とうもろこしはイネ科で、玉ねぎの連作障害の軽減につながっているとおっしゃいます。

夏場の旬野菜で、鮮度によって甘みの低下が著しいので収穫→出荷→生活者に届くまで、スピードが求められます。収穫は早朝5時半から2時間半。作業場に戻り箱詰めして11時には保冷車に乗せて出荷完了するそうです。

90日で収穫できる作物ですが、温暖な平坦地なので中山間部に比べて5日程早い生育スピードでもあるそうで、栽培をきちんと設計し、3か月頑張ると出来る!このような規模で可能性大な作物だと…。「緑肥の代わりになると思って始めたけどとうもろこしの魅力にはまってしまった!」と笑顔で話される釜さん。「県の“農業経営塾”に出会っていなかったら普通に柑橘農家の4代目だったかも」とも。とうもろこしの横では、間もなく収穫され「恋するマロン」という名のかぼちゃが育っていました。サラダ玉ちゃんもJAあしきた管内では最大規模で栽培され、その味も抜群です!

釜さんの経営されるワクワク農業で栽培品目とその可能性が広がっていきそうな予感を覚えつつ圃場を後にしました。

※今回の取材は、6月中に行ったもので、7月4日の熊本県南豪雨によって、釜さんの圃場は甚大な被害を受けられました。とうもろこしの畑も被害に遭われたと連絡を受けました。心よりお見舞い申し上げます。

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持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

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運動不足によるむくみをスッキリ! な組み合わせのスムージー

紫陽花が美しい季節を迎えました。コロナ禍で自粛生活が続き、運動不足によるむくみのお悩み解消に、カリウムたっぷりの小松菜とグレープフルーツのスムージーをご紹介します。バナナをプラスしてむくみの解消に導きます。小松菜は野菜なのにカルシウムが豊富!女性に嬉しい葉酸や鉄分も補えます。爽やかな香りの一杯で、ストレス解消にも! 野菜・果物のチカラで近づく梅雨の鬱陶しい日々も元気に乗り越えたいものです。

<こまつな+グレープフルーツ+バナナのすむーじい>

材料 1人分約220ml
小松菜  30~40g(お好みで加減)
グレープフルーツ  1/2個
バナナ  1/2本
はちみつ  大さじ1
水  50~60ml

作り方
1)小松菜は根元を切り落とし、バナナは皮をむいてそれぞれ一口大に切る。
2)グレープフルーツは皮をむいて果肉をとりだす(白い部分はなるべくとリ除く)。
3)ミキサーにすべての材料をいれて、なめらかになるまで約20秒攪拌する。

<Recipeのポイント>
カリウム豊富な組み合わせ。栄養価高い緑黄色野菜こまつなは、アクが少ないのでスムージー向きの食材ですが、グレープフルーツとバナナを合わせることで、野菜特有の青臭さをおさえて、すっきりした飲み心地に仕上がります。

小松菜のこと…
ほうれんそうに比べてあっさり味の小松菜。栄養価が高い緑黄色野菜のひとつで、カルシウムが非常に多く含まれているのが特徴です。その量はほうれんそうの約3.5倍もあるのです。成長期の子どもや高齢者は積極的にとりたい野菜です。鉄や主要ミネラルも豊富で、美肌や老化防止に効果が期待されるビタミンCやカロテンもバランスよく含む女性の健康と美容の味方です。

グレープフルーツのこと…
爽やかな酸味で心身に活力を与えて元気にしてくれる清々しい香りと味わい。ビタミンC が豊富なうえ、苦み成分「ナリンギン」がビタミンCの吸収率を上げるので、美肌やストレス解消にはたらき、クエン酸は疲労回復に力を発揮します。


「小松菜」だったらこの人!おつづき農園緒續一馬さん…。もう何年になるのでしょう…
植木周辺の若手農家さんが集まる「うえきもんマルシェ」で「こまつなのスムージー」を試飲させていただいて以来のファンです。北区植木町で営まれる農園は、県内唯一の小松菜専業。新しい品種が出たら常に試験をし、品種ごとにある個性を周年で栽培できるように選別して、現在は3品種の小松菜を時期によって使い分けて栽培なさっています。

栽培・収穫のご苦労を伺ったところ、「小松菜は外葉から傷んでくるので、発芽した時の双葉を大切にしながら栽培します」とのこと。収穫時はハウスの遮光し、ハウス内で鮮度が長持ちするよう外葉を1~2枚はずして袋詰め、梱包、収穫後1時間以内には冷蔵車で出荷していくシステムをとっているとのこと。それはお客様にできるだけ新鮮な状態で手にとっていただくための心がけだとおっしゃいます。大規模なハウスでその迅速な収穫・出荷を徹底させるのは相当な覚悟あってのことと感じながら圃場を後にしました。

同じく植木町で「サガンルビー」という純国産の品種でグレープフルーツ栽培を手掛ける柑橘専門の宮本果樹園さん。2代目裕一さんの奥様の宮本好美さんは野菜ソムリエプロで野菜ソムリエコミュニティ熊本の仲間。3代目雄平さんという立派な後継者がいらっしゃるとは思えない若々しい柑橘美人の生産者さんです。

西インドが原産のこの柑橘…ひと枝に房状に結球するその姿がぶどうのようにみえることから名の由来がきているそうです。産地として知られているのは、アメリカのフロリダ州で、全世界の40%を占めています。温暖な地域に育つもので、耐寒性が弱いので、県北植木町の冬場の寒さでは外国産の品種では木が枯れたこともあったそうです。そこでこの国産品種を導入され、試行錯誤を繰り返されながらこの美しいグレープフルーツが収穫できるようになったそうです。園地でカットしていただくとほとばしるようなジューシー感。糖酸バランスのとれた果汁と爽やかな香りにたちまち魅了されました。

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持田 成子

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野菜王国くまもとすむーじぃ23

栄養価の高いビーツで、手軽にパワーチャージ!

楠若葉を渡る風がさわやかな季節になりました。その爽やかな風に乗って、天草からハーブとともに真っ赤な色が印象的な「ビーツ」が届きました。この「ビーツ」は、地中海沿岸が原産の根菜。この鮮やかな赤は、自然着色料として使われることも多く、栄養もいっぱい! ビタミン・鉄、食物繊維、ミネラルなどが豊富な優れものです。なので、食べる輸血と言われているとか!?
ロシア料理のボルシチの材料としてお馴染みですが、スムージーやジュースだと生で手軽に召し上がれるんです。りんごやバナナと合わせて飲み心地よいレシピをご紹介します。

<ビーツ+りんご+バナナ+ヨーグルトのすむーじい>

材料 
1
人分200ml
ビーツ     40g
りんご     1/6個
バナナ     1/2本
ヨーグルト   100ml
水       少々

作り方
1)ビーツはよく洗って皮ごといちょう切りにする。
2)りんごとバナナは皮をむいて一口大に切る。
3)ミキサーに水以外の材料をいれて、なめらかになるまで攪拌する。回りにくかったら、水を 適宜加えて回す。

 

<ビーツのこと>
ビートルート、レッドビート、テーブルビートなどの呼び名もあり、形がカブと似ているので、日本では「赤カブ」、英語でも古くは「Blood turnip(血カブ)」と呼ばれることもありましたが、カブが属するアブラナ科ではなくほうれんそうと同じアカザ科の仲間です。

特徴
砂糖の原料となる甜菜(テンサイ)と同じ仲間で、砂糖かぶともいわれるほど根菜としてはかなりの甘さ。輪切りにすると赤と白の年輪のような模様が現れます。
日本ではロシア料理のボルシチに使われる根菜というイメージが強いですが、ヨーロッパでは昔から健康によい野菜として知られていて、古代ローマ人は発熱や便秘の治療にビーツを使ったと伝えられています。

旬と産地は?
輸入ものが多く、瓶詰や缶詰めが一般的ですが、国内では長野や茨城などで栽培され、は年に2回収穫が可能で、6月〜7月、11月〜12月が旬です。今回のビーツは、天草市にあるNaturalHerb香草園さまより届きました。

栄養は?
カリウム、ナトリウム、カルシウムなどのミネラルはもちろん、ナイアシン、パントテン酸などのビタミンB群、食物繊維などが含まれるほか、ベタシアニン、ベタインなどほかの野菜にはなかなかない成分が含まれています。さらに、ビーツに含まれる「ラフィノース」というオリゴ糖の働きや、ビーツの赤色を示すベタシアニン、ベタキサンチンが持つ抗酸化作用などが期待されている健康野菜です。

このように美容と健康効果が高い、魅力的な「ビーツ」。鮮やかな色で目からも元気をいただけそうでしょう。見かけられたら是非、今回のスムージーはもちろん、サラダや、グリル、煮込み料理などいろいろと作ってみてください。


ちなみに、今回つかったヨーグルトは、合志市にあるオオヤブデイリーファームの商品です。HPにはオンラインショップもあるので、ぜひのぞいてみてください。

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持田 成子

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女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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