

三星が見つけた☆くまもと5ツ星19
春は、海にもやってきます。
この時期においしいのは、はまぐり。
1月下旬から出回り始め、旬は2~4月。
まさに春を告げる食材です。
今回は煮麺を作ります。
まずは鍋に水を張り、昆布を入れて1時間ほど浸しておきます。
目安は500ccに対して昆布5gですが、適当でも大丈夫。
はまぐりからもだしが出るので、安い昆布で十分です。
鍋に砂抜きを済ませたはまぐりを加え、弱火でゆっくりと煮出します。
アクが出たら取り除きながら、貝の口が開くまで火にかけます。
口が開いた貝から順に取り出し、煮汁が沸騰する直前に昆布も引き上げておきます。
煮汁は酒、塩、ほんの少しのしょうゆで味を調えます。
そこに素麺をぱらり。
下ゆではせずにそのまま1~2分煮込み、麺が好みのやわらかさになったら火を止めます。
一般的な煮麺は、素麺を下ゆでしてからだしに入れます。
しかし、今回ははまぐりのだしを麺に吸わせたかったので、そのまま煮ました。
ゆで汁に少しとろみがついて麺に絡みやすくなるのもメリット。
器に盛り、仕上げに小ねぎを散らして、はまぐり煮麺のでき上がり。
この料理は、10年ほど前、『元祖博多水たき 水月』を取材した際に大将の林田さんから教えていただいたことがヒントになっています。
水月では水炊きを楽しんだ後のスープに素麺を入れて煮る「地獄炊き」を〆に提供していて、鶏の旨味をたっぷりと吸った麺のおいしかったこと!
それをはまぐりで再現してみたというわけです。
器は菊池市にアトリエを構える星野久美さんの「黄マット中鉢」。
サラダや煮物、刺身など、何を盛っても様になるので重宝しています。
雑誌「九州の食卓」副編集長を経て、フリーのエディター・ライターに。食に関する取材が得意で、料理と器も好き。九州中を駆け巡って各地のおいしいものを味わってきた経験を生かし、フードコーディネーターとしても活動中です。