野菜王国くまもとすむーじぃ35

ストレスフルな毎日に、一杯のスムージー

楠若葉が眩しく爽やかな季節になりましたが、依然としてコロナ禍は収まらず見えぬウイルスの脅威に不安とストレスを感じていらっしゃいませんか。ストレスを感じるとぐっと減ってしまうといわれるビタミンCを旬の晩柑で補給し、リラックス効果が期待されるセロリを組み合わせた、疲労回復にもおすすめのスムージーをご紹介します。


晩柑とセロリのすむーじぃです。

材料出来上がり 約180ml
セロリ          100g
晩柑(1/2個)      200g

作り方
1)セロリはよく洗い乱切りにする。
2)晩柑は皮をむき、小房に分け乱切りにする。
3)ミキサーにセロリ、晩柑の順に入れてふたをし、撹拌する。(撹拌しにくかったら、様子を見ながら水を少し加えてください)

<セロリのこと>
健康効果のほとんどは香り成分に。主なはたらきに、精神を安定させる作用、食欲増進、血圧を安定させたり、血栓ができるのを防ぐ作用などがあるといわれます。ミネラルでは、利尿作用や高血圧予防に役立つカリウムが豊富です。

<晩柑のこと>
晩柑(河内晩柑)は1905年ごろに熊本県河内町(現熊本市西区河内町)で見つかった文旦の偶発実生です。発見された場所の地名(河内)と収穫時期が春先以降であること(晩生の柑橘)から、「河内晩柑」という品種名がつけられています。
外観や大きさはグレープフルーツとよく似ていますが、果汁がたっぷりでジューシーオレンジとよばれることもあるほど。さわやかな甘みでさっぱりした味わいです。


(圃場写真: 熊本市西区 清正農園)

セロリの畑を訪ねて
地中海沿岸が原産ですが、ヨーロッパに広く自生していたようです。古代ギリシャ・ローマの時代には薬や香料、魔よけに利用されていたのだとか…。日本への伝来は、16世紀末、加藤清正が朝鮮出兵の折に持ち帰って植えたことから、「清正人参」とも呼ばれています。

日本へ持ち帰ったのが加藤清正ということは、日本初の栽培地は熊本?!…ということで「清正」の名がつく、熊本市西区の清正農園・西孝弘さんを訪ねました。清正農園さんと言えば、伝統野菜「くまもと長にんじん」の生産者として県内外で有名な方なのですが、セロリ=清正人参について改めてお話を伺いました。

セロリは代々栽培されて今年で54年目。『調べてみると加藤清正はどうも朝鮮人参の種といわれて持ち帰って植えたら、生えてきたのはセロリだったという逸話もある…』と教えてくださいました。そもそもその朝鮮出兵の際に、藤崎八幡宮に戦勝祈願のお供えをしたのがこちらの農園がある上代(神代)の野菜だったと…。

故に持ち帰った種も上代の地に植えられたのかな…と、清正公の時代に思いを馳せながら、ハウスの中に…。入った途端にツンとくる独特の香りと瑞々しいグリーンの葉っぱたちが目に飛び込んできました。そうです!こちらで栽培されているのは、「緑色種」。西さんが異業種から代々営まれる農業分野に入られて13年…試行錯誤しながらブレンドしたオリジナルの肥料を与え始めたところ数年前からより甘さが加わったので「清正のフルーツセロリ」として売り出されたのだそうです。畑でいただくとまるで「梨」のような爽やかさ甘さが口の中に広がりました。

デリケートで栽培しづらい野菜ながら、安心安全なものを届けたい信条のもとに栽培される確かな味は県内外のシェフやバイヤーに人気を博すという逸品ですが、まだまだよりよいものを作っていきたい…との語ってくださいました。

この記事を書いたひと

持田 成子

vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人

女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。

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