野菜王国くまもとすむーじぃ22
二十四節気では「清明(せいめい)」、すべてが清らかで明るく、けがれのない春が訪れました。桜はあっという間に満開になり、はらはらと散りはじめたこの頃ですが、今年の時世は沈みがち…。自粛続きで、なんとなくだるさを感じたり、寒暖の差が激しく朝夕の寒さで体調がくるいがちではありませんか。
そんな、すこし憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる、葉酸や抗酸化ビタミンがたっぷりの鮮やかな緑色と爽やかな味わいのグリーンアスパラガスと春キャベツをつかった若草色のすむーじいをご紹介します。
<グリーンアスパラガス+春キャベツ+バナナのすむーじい>
材料 1人分
グリーンアスパラガス 2本(40g)
キャベツ 1枚(50g)
バナナ 1/2本
水 100ml
作り方
1)グリーンアスパラガスは、根元の固い部分ピーラーでむき、斜め薄切りにする。
2)キャベツはざく切り、バナナは皮をむいて一口大に切る。
3)ミキサーに全ての材料をいれて、なめらかになるまで攪拌する。
<アスパラガスのこと>
新陳代謝を促し、疲労を回復する効果があるアスパラギン酸の名の由来にもなった野菜。抗酸化作用が高いグリーンアスパラガスは、免疫力を高めてくれるのでストレス気味の方にもおすすめ野菜です。
栄養…鉄や葉酸など妊娠を予定している女性に必要な栄養素が豊富。エネルギー代謝に必要なビタミンB1やB2を多く含みます。また毛細血管を丈夫にするルチンを穂先に多く含みその量は旬の4月~5月がより豊富です。
アスパラギン酸って…アスパラガスから発見されたアミノ酸の一種。効率よくエネルギーをつくりだすので疲労を回復する、不眠やイライラなどにも効果が期待されています。
<春キャベツのこと>
秋に種をまいて春に収穫される。葉が柔らかく、みずみずしいのでサラダや浅漬けなど生食向き。特別に栄養価が高いわけではありませんが、調理方法が幅広く食べる機会が多いのでコツコツとビタミン・ミネラルを摂取できます。
栄養…ビタミンC,胃の粘膜を保護してくれるビタミンUや強い抗酸化作用を持つことで期待されるイソチオシアネートが豊富で、いずれも生食で摂ることがおすすめです。
春の香りを感じに南阿蘇村のアスパラ畑にお邪魔してきました。
南郷谷から阿蘇の山々を望むところに、藤原孝誠さん・美里さんのハウスが立ち並んでいました。平成15年に栽培を始め、徐々に棟を増やしてきた藤原さんご夫妻…主に「スーパーウエルカム」という品種を栽培されています。
1月末に根元まで刈り込んでバーナーで焼いて消毒し、3月に土に水を与え、地温を15度に上げるのにハウスを閉め切って50度まで上げる「蒸し込み」をすると地下茎が動き出し,芽を出す準備を始めます。3月中旬から出荷が始まり、6月まで「春芽」の収穫が続きます。竹崎水源の清らかな水をふんだんに利用した豊かなところですが、高温多湿になりすぎると病気がでたり、新芽に虫がつくと商品価値が下がるので細心の注意を払われるのだと…。徹底した温度管理で品質保持をなさっています。春芽のピーク時には1日に170㎏収穫する日もあると…。収穫したらすぐJA選果場に、その日のうちに全国に出荷されていくのだそうです。
阿蘇のアスパラガスは、立茎の時期を経て、7月から「夏芽」の収穫が始まりその収穫は11月頃まで続きます。穂先がピンとしっかりしていて、まっすぐに伸びたもの。切り口が新鮮なものを選んで、スムージーにサラダに、豚肉巻きに…さわやかな味わいを楽しんでみませんか。
vege-table代表/野菜ソムリエ上級プロ/フードツーリズムマイスター/女子栄養大学生涯学習講師/くまもとふるさと食の名人
女子栄養大学在学中に[野菜のビタミン・ミネラルの季節変動]研究に携わったことがきっかけで野菜ソムリエの資格を取得。正しく食べることは「病気の予防=健康につながる」をモットーに予防医学を学んだ野菜ソムリエ上級プロとして食育や、レシピ開発、産地コーディネートなど食と農の周りで活動中。